皆さん、エッセイを読むのはお好きですか? 私は大好きです。大好きになったきっかけの一つが、こちらのエッセイを始めとした、筆者の黄間さんが綴られてきた文章の数々です。
コミカルなエピソードは、面白さが抜群で、どんなにリアルが多忙でも、スポーツドリンクを飲み干すように、ぐいぐい読み進めることができました。砂地に染み込む水のような恵みの言葉が、日々に癒やしを与えてくださいました。
着眼点の斬新さも魅力の一つで、「この発想はなかったな」と舌を巻く考えが、随所に散りばめられています。
もし私が、黄間さんと同じ時間に、同じ風景を見て、同じ行動を取ったとしても、あんな表現はなかなか生み出せないと思います。十人十色という言葉が示すように、それは当たり前のことかもしれませんが、それでも書かずにはいられないほど、希有な感性が目を引きます。
心の内側の見つめ方と、目に見える世界の切り取り方に、水際だったものがあるからこそ、読み手を惹きつける引力が宿っているのだと思います。
日常の見方を変えてくれる、とても楽しいエッセイの世界へ、ぜひ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。