一味

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あまりに眠かった。

ソシャゲ。

連日連夜のイベント三昧。

平均二時間半睡眠は思考力と集中力を奪いポンコツ社員をゴミ社員へと変えた。両者の差異は上司のみ知る。提案資料削除したのは確かに俺が悪いよ。でもそれ報告したら「お前ゴミだな」って。それ、普通にパワハラだからな。まぁゴミというのは事実だけど。

そんなわけでこれ以上失態かまさないため早急に目を覚ます必要があった。ミントタブレットも眠民を打破するドリンクもコーヒーもエナドリも効果なし。こうなりゃ中からではなく外からの刺激によりぶっ飛ぶしかない。目についたのは一味。ストレス溜まった時にサラサラと呑み込むように買った一味がそこにある。これだ。これを使わない手はない。キャップを外して眠気眼にいざ点眼。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁぁぉぁぁぁぁ！」

目がやべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ！

眼球に無数の針が刺さったかのようなエグいダメージィィィィィィィィィィィギィィィィィィィィ視界が溶けるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ！

「なんだ、どうした」

「なんかゴミが騒いでんな」

「カスかよ」

降り注ぐ罵詈雑言。だがそんな小事にかまけている暇なし。マジでやばい。病院、病院だ！

「へいSiri。いちいちきゅう」

独断で会社に救急車を呼び搬送。医者に顛末を説明したらガチ目の説教をされ「次は脳外科へ行け」と匙を投げられる勢い。ホスピタリティの欠片もない。だがまぁこれで合法的に仕事を休める。飲みに行っちゃお。一味だらけになったらレバーが食べたくなっちゃったんだからこれはもう仕方がない。かけるぞ、レバー串に一味を。行き先は焼き鳥屋に決定。

と、思った矢先。会社から診察終了次第直ちに戻れとの連絡あり。馬鹿が、傷病やぞ。人道無視の業務命令など無視以外にない。焼き鳥屋へ寄って帰って寝る。それが今日の俺の予定。夕方から飲むビールはさぞかし美味いだろう。まさしく一味違う。そして明日は大目玉という結末を迎えるわけだ。笑えるな。あっはっは。ははは……

……

……減給程度で、済みますように。