高校二年生
白川津 中々
◾️
冬休み、予定なし。
高校二年生。友達も彼女もおらず、学校と自宅の往復ばかり。別にいじめられている訳じゃないし普通に話をしたり班分けで溢れたりすることもないけれど、特別な仲の人間がいない。
無二の親友とか恋人とかどうやったらできるんだ。誰に対しても柔和に接しているのに誰とも仲が深まらない。なぜだろう。
一人の部屋で考えるもやはり答えは出ず、とりあえずゲームを起動。一人用のロールプレイング。主人公は俺とは違って人望があり仲間が多い。
何が違うんだろう。このキャラクターは俺の分身のはずなのに、どうして人がついてくるのだ。
答えをいってしまえばゲームだからという結論になる。もしこの主人公が俺と同じ境遇なら、やはり当たり障りない生活と引き換えに孤独に染まっていただろう。逆にゲームの中なら俺も、この主人公のように素晴らしい仲間に囲まれて生きていけるかもしれない。
……やめよう。
電源を切る。
やることなく、無音の部屋を見渡すも、何もない。俺の部屋には、友達をもてなすようなものが何一つないのだ。
他の人の部屋には、何があるんだろう。
想像力が及ばない思案。誰かと部屋で話すという行為に憧れる。
大学に入ったら、変わるかもしれない。
俺は机に座り、参考書のページを開いた。誰かと友達になれるかもしれない。そんな希望を持って。
高校二年生 白川津 中々 @taka1212384
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