獣耳は正義!
ゆぴくん
第1話 天使の気分
「はぁ」
俺はため息をついて、考えたことがある。
獣耳を触りたい。
高校時代から色々な異世界のヒロインを見てきたが、俺は獣耳を愛しているのでヒロインにそこまで興味はなかった。
(猫でも買うか)
耳を触れればいいと思っていたので、動物でも買おうと昔から思っていた。
さて俺は、現在イラストレーターの仕事をしているが嫌気がさしている。
何故かと言うと俺の会社が、絵を上手くかけても書けなくても少し文句を言ってくるからだ。
イラストを書きながら猫を考えていると、間違えて書いてたイラストを消してしまった。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
頭を描きながら少しため息をつく。
(描き直すか…)
数時間後…俺は提出する絵を運営に出して、俺の好きなゲームに画面を切替える。
このゲームの名前はゴッドマーズと言う通称GDZと呼ばれている異世界系のゲームだ。
(推しキャラの新衣装着てる!)
俺にとってこの子(ニア)は、心の拠り所になっている。
(課金すれば貰えるなどうしよ)
今経済的にちょっと厳しいが、次のボーナスまでもやしで過ごせばいいと思い。
購入画面に進む。
その瞬間、肘がお茶が入っていたコップに当たる。
(やっべ)
ディスクトップにお茶がかかり、煙が出てくる。
焦った俺は、タオルで水を拭く。
(パソコンが壊れる、やばいやばい)
吹き終わって、壊れたかなとパソコンを見ると画面に白色の渦が巻いている。
俺は、少しずつ吸い込まれる感じがあったので机に引っ付いたが画面の中に吸い込まれる。
「うぁぁぁ!」
何が起こっているか分からずに、周りが真っ暗な世界に落ちる。
とりあえずここが何処なのか分からなかったので、とりあえず歩いてみる。
そうするとぼんやりとあかりが見えて暗闇の中に羽の生えた天使っぽい美少女がいた。
「あの…」
こちらに女の子が気づいたのか近ずいてきた、身長は150センチくらいで俺の胸ぐらいの女の子だった。
俺に目線を合わせて話してくる。
「貴方、今の生活に不安を持っているでしょ?」
「まぁーはい。」
急に質問されたので俺は咄嗟に、答えてしまった。
少女は微笑んで、俺に話しかける。
「異世界に行きませんか?」
「え?」
意味がわからない。異世界?そんな世界があるのか、アニメでは見た事あるが現実でそんなことできるのか?
俺は、質問してみようと思う。
「なんで俺にしたんだ?」
その質問に少女は意地悪な顔で一言言う。
「私の気分ですよ」
俺は、ポカーンとする
気分で俺連れてこられたのかと考えると、運がいいのか悪いのか分からないけど異世界に行けるなら俺は別にいいと思った。
「俺異世界に行くんだよな」
「そうですね、でもスキルを一つだけ付与しましょう。」
「え…一つだけ?」
その瞬間俺の周りから光が出てくる。
スキル一つだけ?おい待て、それって俺すぐ死ぬんじゃね。
「おいおい待て待て、スキル一つだけ?」
「安心してください、あっちの言語は全てわかるようにしてあります。」
「そう言う…問題…じゃ」
俺は、光に囲まれて異世界に飛ばされる。
草原に転送されて、地面に足をつける。
「ここが異世界か…て言うか俺がやってたゲームに似てないか?」
風が吹いて、俺の身体に触れる。
俺は目をこすって、もう一度草原を見る。
(これ絶対GDZじゃん)
確信した、何故かと言うと目の前に俺が知っている城があるからだ。
内心めちゃくちゃ興奮している、ニアが居るからだ。
てか、そんなことより俺のスキルはなんだと思う。
(これどうやって見るんだ?)
(ステータスと頭で願うと見えますよ。)
「うぁぁ!」
急に頭にさっきの天使が話しかけてきたのでびっくりする。
天使の笑い声が聞こえてきたので少し腹が立つ。
(転生前に教えろよ。)
(頭に話しかけたらどんな反応するか気になりましてw)
この天使絶対、後で恥をかかせてやると心に誓う。
とりあえず俺のスキルを確認する。
(ステータス)
田仲
Lv1
体力 10
攻撃力15
魔力10
防御力10
運8
命中率5
回避率5
スキル【超成長S】
スキル超成長?なんだそれ、でもSだし強いんかな。
もうちょっとかっこいいスキルとかじゃないのかよと思いつつ、城まで歩く。
(やべえ興奮するなこれ)
俺にとって、異世界なんて子供から夢見たことだから久しぶり感動する。
少し歩いてたら、カサカサ音が聞こえる。
俺は、胸を踊らせ敵が出てくるのを待っている。
(来るか…?)
何も出てこないので、静かに近ずいて見るとそこに居たのはニアだった。
今にも盗賊らしき男に襲われそうになっている。
「来ないでください!」
「お兄さんといいことしようねぇ」
少しずつ盗賊の男2人がニアに近ずいて行く、5人ぐらいニアに魔法で倒されたあろう人がいた。
(ニアは、水魔法と光魔法が使えたからそれで倒したのか)
倒された男を見ていると、剣が落ちておることに気づいた。
俺はそれをバレないように取る。
(これで倒せるな)
盗賊に服を破られているニアが「本当にやめて…!」と言いながら少し泣いている。
俺推しを虐めていたので、頭がプチと切れ我を忘れてしまった。
盗賊の後ろにたって思っきり2人をズバッと切る。
「大丈夫か?」
「は、はい…」
ニアは、服が剥ぎ取られていたので俺の目のやり場に困る。
俺は自分が来ていたパーカーをニアに渡す。
「これ…着な」
「え、いいの?」
少し不安そうにこちらを見てきたので頷く。
ニアは俺に「少しあちらを向いていてください」と一言言う。
俺はそれに従い後ろをむく。
とりあえず、会い方は嫌な会い方だが推しに会えることが嬉しくてたまらない。
(後ろでニアが着替えてるんだよな、すごく変な気持ちになるこれ)
俺はジャージを来ててよかったと思った。
後ろを向いて数分後、ニアが「もう振り向いて大丈夫です」と俺に言う。
振り返ると、ニアが耳を上げしっぽをフリフリ微笑んでいる。
(推しの笑顔尊い)
俺は少し下を向き手を顔に当てる。
「服ありがとうね。私も恩返ししたいな!」
俺の服を着てる時点でめちゃくちゃ恩返しより嬉しいが、今困ってると言ったらまずあの街に入りたいのだ。
「俺さ、少し遠くの国からやってきてあの町に入りたいんだよね」
「じゃー私についてきて!」
俺の手を強く握りしめて、ニアが走り出す。
俺は女の子に握られるのはこれが初めてなのでものすごく恥ずかしい。
俺たちは、走っているうちに街の門の前まで来ていた。
「私たちの王様は、モンスター以外なら入れるんだよ!」
「そうなんですね。」
ニアは、俺に質問してくる。
「君の名前は?」
そうか、自己紹介をしていなかったなと思い俺は答える。
「俺は田仲太一だ、たいちと呼んでくれ」
「たいち…いい名前ですね!珍しい名前です。」
それはそうだ、俺は別の世界から来たのだから珍しいのは当たり前だ。
「私の名前はニアと言います。」
「ニア、可愛い名前だな」
口を滑らせた、いつか推しに言いたかったセリフを今言ってしまった…
ニアが少し顔を赤らめて、「可愛いって…」耳を下げながら恥ずかしがってる。
(破壊力が…見れない)
俺の脳裏が、可愛いで埋めつくされる。
俺は今までの生活の中でいまが1番幸せな瞬間であった。
こんな近くに推しがいるから。
「太一さん、宿とか泊まる場所あるんですか?」
「そういえば…無いな」
そういえばそれも考えなきゃ行けない、推しが目の前にいるからそんなこと考えていなかった。
ニアが目をキラキラさせながら言ってくる。
「私が泊まってる宿に来ませんか?」
その誘いは本当に嬉しいのだがお金が無い、とりあえず誘いに乗ることにした。
「無いし、いいよ。」
「じゃー決まりです!!」
ニアは、しっぽを揺らしながらルンルンして道を案内してくれる。
俺はその時、ポケットをあさりながら歩いていた。
(お金あるわけないか。)
ベストタイミングで天使が話しかけてくる。
(アイテムボックスとステータス同様にやっていだければ、一泊はくらいできるお金を用意しておきました。)
ナイスと考えながら俺はステータスと同じように頭で唱えてみる。
(アイテムボックス)
・金貨:5枚
(ちゃんと用意してくれれてありがたく使わせていただきます。)
手を目の前に出して金貨を選択すると空間の切れ目が出来て、そこから金貨が5枚出てくる。
(これで今日は泊まれそうだな)
そう考えながら、俺はニアについて行く。
街を少し観察しながら(やべぇイケメンと美少女しかいない)と思って俺が浮いていて悲しくなる。
少し歩いていると宿と書かれた看板が見えてきた。
「太一さん!あそこです!」
「あれか」
ニアが入っていったので俺も入る。
この店のオーナーが出てくる。
「ニアちゃん、彼氏さん連れてきたのかい?」
ニアが顔を赤くして、「違います」と否定している。
俺は、少し微笑してオーナーに話す。
「あの金貨1枚で何泊できますか?」
「5泊だよ」
(5泊!?何が1泊だよ。)
「5泊お願いします。」
「はーいじゃあニアさんの隣に止まってね。鍵これね」
ニアの隣にする理由は顔を見て察し、嬉しいけどこのオーナー狙っているだろと思う。
少しだけニアが喜んでいるように見えた。
「私の隣ですね!」
「そうだな」
…推しの隣、俺の心臓が持たなそう。
そう言い俺は自分の部屋に歩いていき、ニアもついてくる。
「ここの街って理解してますか?」
それはゲームで理解しているが、ニアと喋りたいのであえて嘘をつくことにした。
「始めてくるから分からないな」
ニアは、少し微笑んで「じゃー準備できたら外に来て」と言い宿の外に出ていく。
(やっぱりニアは可愛い)
そう言いながら、少しだけベットに身体を倒してステータスを見る。何故かスキルに幸運増加Bが着いていた。
なんだこれと思い、それを触れて内容を見る。
「(幸運増加B)敵と戦っていたり、負けかけていると運が上がる」
(結構使えそうだな)
そう考えながらニアが待っているので外に出ることにする。
俺が宿のドアを開けるとニアがドアの横で待っていた。
「来ましたか、じゃあ案内しますね!」
「よろしくな。」
俺はニアと街の1番栄えているところに連れてかれた。
そこは衣服や、武器、日常商品が沢山売られていた。
「ここで、太一さんの武器を買おうと思いまして。持ってないですよね?」
「まぁ…そうですね」
「じゃー行きましょ!」
俺の手を引き、武器屋に入る。
入るとそこには、ゲームで見た通りな感じで武器が並べてあり俺は驚愕する。
「そんな驚いて見たことないの?」
「…いや、なんでもない。」
そんな話をしていたら、店の店主が奥から来た。
「お兄さん何を買うんだい?」
「金貨3枚で買えるものってありますか?」
店主が少し驚いた様子で、俺の顔を見る。
俺はなんか変なこと言ったのかと、不安になる。
「兄ちゃん、金貨3枚もあればいいものが買えるぞ?」
「え、そうなんですか?」
「知らなかったのですか?」
ニアがそう言い、驚いている。
俺は金貨なんて使ったことがないとでどこまでの価値かもそこまで分からない。
ニアが耳元で小さく説明してくれる。
「貴方の国を私は知らないですが、普通であれば銅貨30枚で銀貨2枚、銀貨30枚で金貨2枚なので…」
「それはやばいな」
「そう言うことです!」
ニアに説明されていなかったら俺はその価値を知らなかった。
俺は結構とんでもないことを言ってたので、発言を慎もうと思った。
「金貨2枚でもいいものが作れるが、どうするんだ?」
「2枚でお願いします」
何を作ろうか、武器といえば王道の剣と言うのもありだが、魔法の杖の杖も捨てがたい。
そりあえずいつでも変えることができそうなので剣にする。
「私は、剣ですがどうするんですか?」
「俺も剣にしようかな。」
そう言うと、ニアがしっぽを振っている。
「兄ちゃん、金貨2枚だからその人の属性に合わせて剣が変形する物があるけどそれにするか?」
「そうですねそれにしてみます。」
「毎度あり!」
異世界に行って初めての剣がめちゃくちゃいい物なので少し緊張する。
店主が店裏からその剣を持ってくる。
「はい、これ持ってみな」
そこにあったのはゲームで見覚えの結構強い方の剣だ。
見た目は大したことないんだが、この真ん中の線がその人の属性によって色が変わる。
中級者までよく使ってたなと懐かしくなった。
(これ持つと色変わるんだよな)
俺は店主が剣を俺に渡す。
「兄ちゃんの魔力を込めて握ってみな。」
「はい」
俺は剣を握る、そうすると線が黒色から白色に変わり刀の周りから白色のオーラが出てくる。
俺もそんな色ゲーム中に見たことがないので驚く。
「白色?兄ちゃん、魔力無いなのか?」
「店主さん違います。この剣は魔力が無ければ黒色で色が変わりません。」
ニアが少し耳をピクリと動かして、俺に質問してくる。
「太一さん、魔法って使ったことありますか?」
「いや…生まれて一回も」
剣を店主にセットで貰った剣をしまうものを腰に付けて、そこに剣をおさめる。
その瞬間に、ニアが興奮気味に俺の手を握って店を出ていく。
(先に払っておいて良かった…)
数分走って、俺が最初にいた野原に来た。
時間も夕方になっていた。
「貴方に魔法を教えてあげる。」
「ちょと待って息が、はぁはぁ…」
俺は数分走っていたので運動していない俺からすると、とても疲れる。
「ごめんなさい少し興奮しちゃって。」
耳を少し下げて申し訳なさそうなする。
「良いよ俺も魔法使ってみたいと思ったから。」
耳が上がって、目をキラキラさせながら両手を握ってくる。
ここから俺の物語が始まる
天界にて…
「田仲涼、そのスキルは一見地味に見えるけど…最強だから」
そう言いながら、天使が微笑む。
獣耳は正義! ゆぴくん @yuukun5210
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