第42話 エピローグ

 大盛り上がりだった公爵家ご婦人の誕生日会から、数日が経ちました。

 私とアリーナは二人でおしゃれなカフェへと行き、おしゃべりをしながらゆっくりと美味しいお茶を飲んでいます。


「うふふふ、うふふふふふ」

「クルクル、今日ずっとニコニコしてるねー。まあ素敵な彼ができたんだから、ニコニコするのも当たり前かーって感じだけどー」


 私は右を見て左を見て、アリーナの向こう側を見ました。

 あの女性もその女性もあちらにいる女性も、みんなみーんな――。


「くるくる縦ロールの髪型ですわ。アリーナ、ついに来たんですわよ。くるくる縦ロールの時代がっ」

「お、おう……。なんだ。かっこいい彼のことを考えていたんじゃないのね……」


「だってだって、嬉しいじゃないですか。くるくる縦ロールの髪型はこれまで誰にも理解されなかったのに、今ではいろんな女性たちがくるくる縦ロールの髪型を作ってくれているんですよっ」

「まあねぇ、まさかこんな日が来るとは思ってなかったよ」


 私は嬉しくて嬉しくて、ひとさし指で自分のくるくる縦ロールの髪をくるくると絡めました。いつもよりも良い絡み具合の気がします。


「王都がくるくる縦ロールだらけ。つまり、王都が可愛いでいっぱいですわ。ぜんぶハリーのおかげですわねっ」

「だねー。クルクルの髪型をハリーさんが全肯定したおかげだもんね。それで、女性たちがみんな同じ髪型にし始めたんだもん。……今さらくるくる縦ロールの髪型にしても手遅れなのにね」


「アリーナだって、今からくるくる縦ロールの髪型にしても良いんですよ?」

「私は髪型を全肯定してほしい素敵な男性がいないからなー……」

「このあいだハリーが紹介してくれたかっこいい男性は……?」

「よかったら今度お茶に行こう、って言ってはもらえたんだけど」

「凄いじゃないですか!」


 私とハリーが踊っている間にそんなことになっていたとは。ぜんぜん知りませんでした。


「いやー、どうだろうね。貴族の適当な社交辞令でしょって思ってるんだけど。私は何も期待してないよ。ていうか、今は私のことよりもクルクルのことよ。ハリーさんとはどうなの? デートにはもう行った?」

「いえ、お友達からですからね。ゆっくり進んでいこうって話をしただけですわ」


「えー? そんなのんびりでいいのー? 私だったらすぐに結婚式をするけどなー。クルクルがお友達から始めようって言ったのは、もう王都中に広まっちゃってるよ。そのせいで、私にもまだチャンスがあるかもって思ってる女性がけっこう多くて――」


 だからこそ、たくさんの女性がくるくる縦ロールの髪型をして、ハリーの気を引こうとしているのだそうです。

 でも、それでも良いと私は思います。


「大丈夫ですわ、アリーナ。相手は侯爵家の素敵な男性ですから、ライバルが多いことも困難がたくさん待っているであろうことも、私はちゃんと分かっています。ただそれでも、私たちは自分たちのペースでゆっくりと進んでいこうって二人で決めましたから」

「クルクルたちがそれでいいなら、私は何も言うことはないけどねー」


 美味しいケーキを食べます。そしてお茶を飲みました。


「クルクル」

「なんですの?」

「幸せになりなさいよ」


 アリーナが本気の気持ちを伝えてくれました。


「はいっ、私、次こそは必ず幸せになりますわっ」


 一歩、一歩、ハリーと一緒に歩んでいきます。そしていつか必ず、ハリーと一緒に婚姻届けにサインをして、二人で仲良く役所に提出しに行くのですわ。







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 最後まで読んでくれてありがとうございますー!

 くるくる縦ロールを愛する主人公が送る、異世界ファンタジー物作り系ラブコメでした。いかがでしたでしょうか。くるくる縦ロールや主人公の魅力が少しでも伝わっていたら良いなって思います。


 物語冒頭で大変な思いをしたクルリーナですけど、これからは幸せをつかみとってほしいですね。作者としても切にそう思います。


 はい、ということで、このへんで締めさせて頂こうと思いますー。

 また次の何かしらの作品でお会いしましょうー。

 ではではーノシ

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令嬢はくるくるするのが可愛いです! ~婚約破棄されましたので魔法道具づくりを始めようと思います~ 天坂つばさ @Tsubasa_Amasaka

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