第4話 相談相手

不登校時代、口も心も閉ざしがちだったが

相談相手が無性に欲しくなる時があった


でも相手には条件があった


私が何を話しても顔色を変えない事

私に興味がなく、あまり話を聞いていない事


細かく説明すると

私が心の奥や現状を打ち明けた時、周りの大人が自分のことの様に顔を歪めてくれる事が心苦しかった


私は誰かに一緒に苦しんで欲しいわけじゃなくて哀しみも同情もなくただ生きている誰か、何かに聞いて欲しかった

だから私に興味がないけれど、生きていて

全くの他人事として聞いていてくれる

そんな都合の良い生き物がいてほしかった


そうしてまず最初に適合者として

ダンゴムシが候補に上がったが土が部屋に散らばるのが嫌で検討を改めることにした


そして次がミナミヌマエビ

名前の通りエビ 

小さくてメダカと一緒にも飼うことが出来る生き物

記憶の中では数匹で数百円、そのくらいで買った


ちなみにヤマトヌマエビという選択肢もあったけど、サイズがミナミヌマエビより大きくて世話するのには怖くてやめた


ミナミヌマエビは大いに生きていたし、私に興味がなかった

じっと見つめて色々相談したが何も起こらず最高の相談相手だった 


当時の大人には難しい事を求めすぎたと今更ながら書いていて思う


この感覚が誰かに伝われば嬉しい

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

狂乱索餌不登校 kemuri @yamatanuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画