第2話 VS眼鏡
「他にも何か話あるの?」
あるぞ。あまり思い出したくないが。
俺は本を借りに図書室に行ったんだ。しかしそこで熱っぽい声が聞こえてそこに行ってみたらさ、主人公くんと眼鏡くんが盛っていたんだ。
「えぇ……」
しかも眼鏡ちゃんもそれを目撃していて顔が真っ青になっていた。
「主人公くん、ギャル男と付き合っていたんじゃないの?」
どうやらセフレって奴だったらしい。
ちなみに眼鏡くんと眼鏡ちゃんは付き合ってはいなかったらしい。ただ、眼鏡ちゃんは眼鏡くんの事が好きだったみたいだ。優しくしてくれて、苦手な勉強を見てくれていたから。
多分主人公くんと会う前は眼鏡くんもん眼鏡ちゃんの事、気になっていたんじゃないかな?
「WSS……私の方が先に好きだったのにって奴?」
BSSは知っているけど、WSSは知らないなぁ。
それでさ、眼鏡ちゃんさ。眼鏡くんに注意したんだよ。図書室であんな事したらダメだって。そうしたら何て言われたと思う?
「勉強のできない君に言われたくない」「勉強を見てあげたのに恩知らず」「人の事を注意する前に、学年一位を取ってみたらどうだ?」ってまぁ酷い事を言っていた。
「うわぁ……」
眼鏡ちゃん泣いてたよ。元々気弱な子で教室でも一人読書している大人しい子だからさ。眼鏡くんの強い言葉に凄く傷ついてた。
それに眼鏡くんは毎回テストで一位取っている天才だから、ぶっちゃけこの時の眼鏡ちゃんが学年一位取るの無理なんだよね。
「あれ? でもお兄ちゃん確か成績……」
せやね。毎回学年6位だよ。ただ本気出したら目立って女の子にモテる可能性があるから、セーブしておいたんだ。
「そうだったんだ」
そうなの。
「それで、その眼鏡ちゃんも助けたの?」
だってその子、おっぱい大きかったから……。
「お兄ちゃんおっぱい好き過ぎでしょ」
男には無い魅力なので。
そこでまぁ、オレは眼鏡ちゃんの勉強を見てあげたんだ。でもね、眼鏡ちゃん地頭は悪くなかったんだ。ただくそ真面目だったから勉強の効率が悪くて、毎回範囲内の勉強が間に合わなかったみたいで。
だから眼鏡ちゃんに合った勉強方法を一緒に見つけた。そしたらあの子次の定期試験から学年一位を取り始めた。凄くね?
「確かに凄すぎる……」
今では逆に俺が勉強を教えて貰う立場になっちゃった。あと、眼鏡ちゃんが紹介してくれる小説も面白いんだよ、これが。今度お前も読んでみる?
「そうさせて貰おうか」
そうさせてもろうて。
「ところでさ、今も仲良いの? その子」
おう。週に一回あの子に読んだ本の感想を言いながら図書室で勉強会するのが日課になってる。
あの子との時間、結構癒されるんだよ。これまで勉強は義務的にしてたけど、まさか楽しいと思えるだなんて。眼鏡ちゃんも同じこと言ってたな。
「ふーん。それで眼鏡くんはどうなったの?」
ああ……あいつは……主人公くんとエロゲるのに夢中になって、どんどん成績落としたらしいよ。
多分今では学年最下位くらいの学力なんじゃね?
流石に悔しいのか、眼鏡ちゃんに何か言う事はなかったよ。ただ顔が物凄く歪んでて怖かった。
「そう」
そうなの。
「ところで兄さん。その人とは恋人なの?」
まったくもう。最近の若者はそうやって色恋に持っていく!
眼鏡ちゃんは基本的に異性が苦手なんだぜ? そこに加えて眼鏡くんのせいでさらに異性との距離が離れている。
俺はなんか例外だけど、番犬みたいなものだろう。この前も部屋で飼いたいくらい可愛いって言ってたし。女子の可愛いは恋愛感情ゼロなんだぜ?
「自分で言っていて悲しくない?」
めちゃんこ悲しい。
――ピンポーン。
む。誰か来たみたいだ。ちょっと行って来る。
「はいはーい」
あれ、眼鏡ちゃんじゃん。どうしたの?
「あの、その、えっと……」
ちょうど良かった。今さ、妹が来てんだけど会ってく?
「妹……?」
そうそう。来年入学するんだけど、良かったら今後も勉強見てくれない?
「そう……良かった……うふふふふふ」
どったの眼鏡ちゃん?
「ううん何でもないよ1 わたしも、君の妹とは仲良くなりたいな! これから付き合い長くなるだろうし」
マジ? そこまで気に掛けてくれるなんてマジで優しい。さんくす!
「原作だと悪質なストーカーになっていたけど、あれって元々は本人の気質みたいだね」
「それと眼鏡くんは快楽堕ち、か。また眼鏡ちゃんが辿っている未来だ」
「……これって偶然?」
BLエロゲー世界に転生したけど、ノンケなので全力で逃げます カンさん @kan_san102
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