閑話 とある王子様?御一行

〈???視点〉


その日はたまたま休暇消化にパーティメンバーと村の散策をしていた。そして、ギルド内で昼食を取ろうとした時には来た。


「嫌な絡み方ねえ」


メンバーである女性魔法使いのミリルが言う。カードテイマーと知った時のギルド員の態度もアレだが、ギルド内で武器を抜くのは御法度が暗黙の了解の筈だ。職業差別がここまで浸透しているとはね。テイマーの彼もミニソルジャーを召喚したが相手が悪い、仕方ない、動こう・・・・・・なっ?!


「アクアスプライトを重ねて召喚、出でよ!」


馬鹿な?!カードが重ねられ、モンスターが融合した?!こんな召喚聞いた事無いぞ?!


「流水の剣士!そいつらは相手にしなくていい、逃げるぞ!」


ここに居る自分を含めた誰もがその剣士に目を奪われた、強さにもその流麗な美しさにも。そして、何より強い。剣すら抜かずに人ごみに紛れ、その中から軽々と村の防壁を飛び越え消えてしまった。


「なんだよ、アレ?」


呆然とするのは同じパーティの男性剣士ゴウン。無理もない、誰も見た事が無いテイムモンスター、いや、融合された、例えるなら、フュージョンモンスターとでも言うべきか。その衝撃から返った人々がざわめく。


「いかがいたしますか、王子?」


女性神官のアイレンが言うと、頷く。決まっている、まずはあの呆然としたままの運が良かった、いや、これから悪くなる3馬鹿の処遇、そして、彼の捜索だ。


「まずはアホ共の処遇だ。御法度を破ったんだからな。その後、父と謁見する為に首都に戻る準備だ、急ごう」


「「「はっ、王子」」」


剣士としても、「   」としても興味がある、何より【第3王位継承者】としてもね。久しぶりに興味深い存在に出会えた事に感謝しよう。さて、次はいつ会えるかな?




「へっくしょん!」


【風邪ですか、マスター?】


「いや、何か、ぞわっとした感じがしたんだが、暖房入ってるよね?」


【入ってますね】


「なんだろ?」【なんだったんでしょう?】

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最底辺職の【カードテイマー】で異世界をのんびり生きていく 味醂英雄 @mirineiyuu

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