宇宙人

ヤマシタ アキヒロ

第1話

  宇宙人



いないはず


ないじゃないか


夜空に星が


何個あると思ってんだ


きっといるに


決まってるさ


だって田舎へ行けば


星と星の間に


さらに小っちゃな星が


いっぱいあるんだぞ


あん中に


いないってほうがムリだ


見たことないものを


いないって決めつけるのは


科学的じゃないね


だいいち


自分たち自身のことを


否定することになる


きっといるさ


いるにちがいない


君が働いてる


昼間にだって


青空の向こうで


星は輝いている


いないって


言い張る人間は


目をつむれば


世界がなくなると思ってる


自分が死んだあとも


世界がつづくって


信じることは


大人じゃないと


出来ないことなんだ


だから


宇宙人はぜったいいる


そうであって欲しい


そうでなきゃ


僕のまぼろしのような人生は


悲しすぎるじゃないか


         (了)

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