第4話 確信犯の“ふたり”

 カレの指定した映画はとてもつまらなく、不眠と気疲れが祟って、膝に置いたポップコーンの紙バケツがうつらうつらと危うくなる。


 朦朧とした意識の中……


 どうしたのだろう……


 足元が……


 風???


 いきなり

 靴下のフリルをかすめて

 とは違う冷たさが私の内ももに張り付き、

 蠢きだす。


 そして……


 が私の体温で緩和され、カレの手のひらと私の肌が馴染んでゆく……


 私の頭の中には……あの“ぬるんとした”血の感触と温かさ……


 こんなふうに

 なすがままにされている私は……


 なぜ、“パンツ”を選ばなかったのだろう

 丈の長いスカートこそ

 逆効果なのに……


 でも、その結果として私の頬も肌も赤く染まり……

『この感触は一生忘れられないだろう』と思ってしまっている。


 この私こそが無意識の確信犯なのかも!


 あの時も……


 そして今も……




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映画は観るもの、触るもの? 縞間かおる @kurosirokaede

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