第3話 眠れぬ夜とウザい視線たち

 次のお休みの日、私はクローゼットの中では一番丈の長いスカートを履いて、待ち合わせ場所へ向かった。


 ようやくたどり着いたこの日まで、私は眠れぬ夜を過ごした。

 もっとも、その半分はゲームとSNSに費やしたのだけど……

 代わりに宿題かテスト勉強でもすれば、いい導眠剤になったのかもしれない。


 本当に待ち合わせ場所に来たカレは、腰パンするわけでもないケミカルデニムに長い足を通し、ザックリしたブルゾンを羽織っていた。


 カレと歩く映画館までの雑踏の中、私には、容赦のないオンナ達の刺すような視線の数々が集まってきた。


 イケメンと歩くのがこんなにウザいモノとは……


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