ロケットブランコ
岸亜里沙
ロケットブランコ
私が子供の頃に住んでいた閑静な住宅街の片隅に、小さな児童公園がありました。
子供用の滑り台にベンチ、ブランコが設置されているだけでしたが、一番仲良しだった
他の友達はみんな、大きな公園で遊んでいたので、そこの児童公園にはあまり人もおらず、私と
滑り台で遊んだり、ベンチに座って何時間もずっと話していたり。
だけど私たちが一番遊んだのが、ブランコです。
ブランコを立ち漕ぎし、だんだんと速度を上げていくと、まるで自分がロケットになったみたいで、なんだか宇宙まで飛んでいけそうな気がしました。
好奇心という名のエンジンは、尽きる事なく私たちを動かします。
自由に遊んで、毎日が楽しく過ぎて、軽やかな心は無重力のようで。
高校生になった頃、
私たちの身長が伸びて、小さく感じられるブランコに座りながら、子供の頃と同じように、暮れていく空を見上げて、ずっと話していました。どれだけ時間が経っても、不変の関係性。
お互い結婚をし、地元を離れましたが、それでも年に一回は必ず会うようにしています。
今も私たちは隣どおし座って、ゆっくりと一定のリズムで、ブランコを漕ぎ続けているのかもしれません。
ロケットブランコ 岸亜里沙 @kishiarisa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます