第3話 本気
合図ともに3人はフォーメーションを取る。
西園寺 里奈
長女であり、3人の中では指揮官的な役割を担う。
総斎力:【約110,000】
固有斎力:【状態変化】
得意系統:【バフ系統】
冒険者ランク:【S】
俺から見た総合点は49点
西園寺 瀬奈
次女であり、3人の中では前線の役割を担う。
総斎力:【約80,000】
固有斎力:【物質干渉】
得意系統:【攻撃系統】
冒険者ランク:【S】
俺から見た総合点は43点
西園寺 瑠奈
末っ子であり、3人の中で中間の役割を担う。
総斎力:【約150,000】
固有斎力:【環境操作】
得意系統:【防御系統】
冒険者ランク:【S】
俺から見た総合点は51点
基本的な情報はここまでだ。
正直、俺が本気になれば1秒とかからず倒せるはずだ。
斎力は制限されており、片手と片足は使えなく、その上で時間制限もあるとはいえ、余裕で勝てる試合だと思っていた。
まずは一瞬で距離を詰めて、前線に立っている次女に片手で殴るが、三女が割り込んでガードをする。
しかし、そのガードを突き破って攻撃したものの、体制を立て直して「ちっ!早い!」と言いながら、後方から魔法が飛んでくる。
攻撃魔法は...ただの5級程度の雷魔法か。
メインは攻撃ではなく目眩しか。
それをあっさりと躱すと、一旦距離をとる三人。
やっぱり大したことはない。
防御魔法が得意でこのレベルの攻撃を完全に防げないとなると、時間の問題だな。
俺は舐めていたのだ。
このままでは絶対に負けないと。
しかし、その考えは改められる。
こちらから動こうとすると、「...盤上の一手【環境変化】」と、三女が唱えるとステージが大雨のステージに変わる。
さらに続けて、次女が地面の雨に触れると、「盤上の一手【物質干渉】」と唱える。
すると、雨が次女のもとに集まり、丸い大きな水球が出来上がる。
「...ほう。魔法消費なしで組み合わせるだけでこんなことができるとはな」
雨という環境を作り、雨で溜まった水をコントロールする。
固有の斎力に魔法消費はない。
基本的には自分のためだけにあるのだが、流石は三つ子。こういう使い方を思いつくとは。
「だけど、そんなもので攻撃されたとて、俺にダメージはないぞ」
そんな忠告を無視して、俺にその大きな水球をこちらに投げてくる。
このステージの狭さでは交わすのは不可能。
しかし、当たったところでダメージはない。
狙いは溺れさせることだろうが、魔法で鰓呼吸に変えればそれも問題ない。
そうして、直撃するもやはりダメージはなく、呼吸も変えたため、溺れることもない。
この程度かと思っていると、長女がこちらに手を伸ばしてこう言った。
「盤上の一手【状態変化】」
水は一気に液体から個体へと変動する。
つまり、水は急激に冷えて、氷に変わった。
そう、俺は凍りついてしまったのだ。
やられた。こいつら単体ではSレベルだが、3人集まればSSレベルはある。
「ちっ!」と、炎魔法でなんとか水を溶かそうとするが、水に変わった瞬間にすぐに氷に変えられる。
想像以上に厄介だな...こいつらの能力。
近づこうにも雨が降っている限り、いつでも雨が氷に変わり俺の動きを止める。
それを解除しようとするとこちらは魔力を無駄に消費することになる。
はぁ...残りの魔力はまだあるな。
なら俺もやるか。
「盤上の一手【以心伝心】」
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貞操逆転した世界で女子だらけのダンジョン高校に【永世斎王】の孫が入学した 田中又雄 @tanakamatao01
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