最終話:メイドな天使。

「公介さん・・・あのね、私がこのお屋敷にいた時、あのお庭の噴水、水が

出てたんだよ」

「今見たら出てないよね・・・西園寺家が水道代なんか節約すると思う?」


「たしかにな・・・じゃ〜」


「そう、たぶんだけど旦那様のご遺体はあの噴水のそばのどこかです」

「ご遺体を埋める時、きっと水道の配管を壊しちゃった・・・」

「だから水道の元栓を止めてるから噴水から水が出てないんです」


「元子・・・おまえ、鋭いな」


「ってことらしいですが・・・そのへんどうなんですかね、洋太郎さん」


そう言って罵倒さんがダメ押しした。


「くそ〜メイドめ・・・完全に破壊しておけばよかった」


「バカ野郎・・・人間じゃねえなおまえ・・・このクズが」

「おまえみたいなやつが社会の上に立って偉そうにしてるなんて間違ってるよ」


「公介さん・・・こんな人に腹をたてるだけ損です」


「そういうことなので捜査令状とって改めて、お邪魔させていただきますので」

「どこにも行かないように・・・」


結局、西園寺家の庭の噴水の脇からビニールに包まれた善右衛門の遺体が

発見された。

そして洋太郎は実父殺害の容疑で逮捕された。

元子の記憶から事件は一件落着した。


「あれ?元子・・・なんでメイド服なんか着てんだ?」


「今回の事件の功労者は元子だから、なんでも買ってやるって罵倒さんが

言ったからメイド服買ってもらっちゃった」


「今更なんでメイド服なんか・・・」


「元子ちゃんよく似合ってるよ・・・やっぱ本物は違うな」


「ありがと、吉光」


「だから、なんでメイド服なんだよ、元子」


「公介さんが西園寺家で安ちゃんに俺の事務所に来ないかなんて口説いてたから

「探偵事務所には、もうちゃんとメイドさんがいるんだよって分からせる

ためだよ、公介」

「もし、公介が看護師さんを口説こうとしたら私、看護師さんになるから」


「これに懲りて女に色目使うのはやめろってことだな、公介」


「バカ野郎・・・俺は、元子だけだよ・・・」

「そうだからな、元子・・・だからさ、ほら・・・チューしろ・・・チュー」


「チューしてください、でしょ?」

「なんでもして欲しかったらお願いしなくちゃ」


「いいよもう・・・それにしたって・・・メイド服って、まいったよな

・・・俺、我慢できそうにないし・・・」


「なにが我慢できないの?」


「その格好がだよ・・・そのメイド服着せたまま元子としたい・・・」


「え?したい?・・・え?え?」


「エッチしたいって言ってんの・・・」


「もう、スケベ、変態!!・・・公介の頭の中それしかないんでしょ?」


「だって元子は俺の天使だし・・・それは、とりもなおさず俺の権利」


おしまい。







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メカと天使とミステリー。〜メイドは見ていた〜 猫野 尻尾 @amanotenshi

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