マゼラン艦隊航海記【場面集】
小説家ずんだもん【ひろみ】
ケサーダの処刑
ついにケサーダの処刑が決まった。
量刑は実刑判決による即死刑!
罪状はカスティーリャ王国国家に対する叛逆罪ならびにマゼラン総司令官に対する謀叛罪によるものである。
処刑方法はカスティーリャ王国内で最も重い、八つ裂きの刑での死刑に決まった。
この極刑についてだが、まず、ケサーダは裸にさせられ、そして甲板の台の上で仰向けにさせられ、四肢と首を鎖で繋がれた。
そしてその鎖の先には非常に重い巨大な重りを付けられ、合図と共に水夫がその重りを海に落として四肢と首を引き裂くという処刑方法であった。
しかし、ケサーダは身分も考慮され、陰茎部を晒したままでの極刑はあまりにも辱めを与え過ぎるので腰巻1枚だけは着けたまま死を与えられる事となった。
水夫『マガリャネス提督、準備が出来やした!!』
マゼラン『うむ。
執行手順は予定通りである』
この執行手順とは次のとおりであった。
イエス・キリストの初めの12使徒を順番に読み上げ、カウントアップ方式で数え上げる。
1〜12迄の数え方は次の通りである。
1の代わりに最初の使徒ペテロを読み上げ、最後の12………即ち裏切り者のイスカリオテのユダを唱え終えると同時に重りを一斉に海に落とし、胴体のみを遺して全て引き裂くというものであった。
マゼランはケサーダに近付き、鋭い目線で彼を見て言った。
マゼラン『卿がこの世に生きる時間はもう、あまりない。
最後に遺して置きたい言葉はあるか?』
ケサーダは薄ら笑みを浮かべて笑った。
ケサーダ『クックックックックックックックック………………』
マゼランはケサーダをギロリと睨み付けた。
ケサーダは答えた。
ケサーダ『ククク………。
貴様の望み通りとなったなマガリャネス。
クックックックックック………………』
マゼラン『………………』
ケサーダ『………では、この世とおさらばする前に貴様に一つ忠告しておこう。
貴様の後学の為だ。
何、礼等要らぬよ。
この鎖を外せ等と言うつもりは無い』
マゼラン『………………』
ケサーダはニヤニヤしながら辞世を話し始めた。
ケサーダ『てめえは御人好しだ………マガリャネス』
マゼランのケサーダを睨み付けた顔がより一層
ケサーダ『てめえは死ぬ!!!
死ぬのだ、マガリャネス!!!!
この世界を一周する事はおろか、モルッカ諸島に辿り着く事すら出来ない!!
何故ならば………………!』
ケサーダは一呼吸置いた。
ケサーダ『てめえは御人好しだから必ず何処かの島で人を助ける!!!!!
それが徒と成る!!!
墓穴を掘る事になるだろう!!!!!
間違いなくだ!!!!!
いいか、お前は達成出来ずに死ぬのだ!!!
フハハハハハハハハハ!!!!
ハーーッッッッッハッハッハッハッハッハ!!!!!』
マゼランは鬼の様な形相でクルッと振り返るとケサーダが横たわる台とは反対方面に歩き出した。
紫色の
(カツーン…カツーン…カツーン…カツーン…)
クルリとまたケサーダの方を振り向き、サッと右手を右上に挙げたかと思うと、手刀を左下に下ろした!
それは、
マゼラン艦隊航海記【場面集】 小説家ずんだもん【ひろみ】 @NovelistZunda
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