勇者の軌跡6 呪いの剣と親切な村
盗賊はこの辺りで活動していたらしく、かなり強かった。
が、武器に振り回された攻撃で大振りが多かったことでその隙をついて武器を持った腕を切り払い、直後、硬直したところで渾身の一撃をお見舞いし倒すことができた。
これで正気であれば、こちらが殺されていただろう。
で、戦利品の武器なのだが、今使っている武器より性能が良さそうだ。
いや、町で売っている武器よりもいいかもしれない。
これならばと手を伸ばす。
が、すぐに正気戻り、手を引き戻す。
明らかに操られた行動だった。
直接見るのも危険。
放置して他人に拾われても危険なために、厚手の布に巻いて持ち歩くことにした。
しばらく歩いていると村を発見。
ここでも歓迎されないんだろうなと思っていると不思議なことに村人の態度は好意的。
久しぶりの人の温もりに感謝して、宿をもらい、就寝。
この時の眠りが深かった理由はその数時間後に明かされることになる。
何かが自分の顔に降りかかる感覚があり、それで目が覚める。
何かが自分の上に覆い被さっており、それに自分の右手が乗っかっている。
目を開け、起き上がるとそれはこの宿の主人。
その背中には厳重に包んであった呪いの剣が突き刺さっていた。
無意識のうちに殺人をしてしまったと愕然とする中、違和感に気づく。
それは宿の主人がナイフを持っていたこと。
覆い被さる形でナイフを握っている状況。
そして、ここまでされて起きなかった自分。
食事にねむり薬を混入され、寝入ったところで宿の主人が俺を殺そうとしたのだろう。
偶然にも呪いの剣で返り討ちにしたのはいいが、次に考えられる事態は・・・。
死体をゆっくりとベッドの脇に移動させ、素早く装備を整えたところでノック音が響く。
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かつて勇者と呼ばれた者の装備 テリヤキサンド @teriyaki02a
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