勇者の軌跡5 多くの旅人が通った後は碌なものがない

情報を得て、次の村へ。

そこでも協力的な村人はほとんどおらず、手伝いや依頼、金で情報を引き出していく。

そんな活動をしても村人達は特に変わらず、無視される。

ここまで嫌われるような旅人達がこの先何をやらかしているのかと不安になっているとそれは大陸間を繋ぐ洞窟で起こった。

なんでも通過するために爆薬が必要だったためにそれを使用し、通過したはいいものの、その後、爆破した部分が脆くなり、今は通行が禁止され、工事中だった。

工事の内容としては瓦礫の撤去と爆破された部分の補強。

これならば、こちらも手伝える部分があると申し入れ、俺も工事に参加する。

魔物との戦いのおかげで筋力も上がっているおかげで瓦礫を運ぶのに苦労することはなく、数日で通れるようになった。

工事関係者から感謝され、わずかな金銭を報酬として得て、洞窟を進む。

事前に洞窟には誰が配置したのかという宝箱が配置されているという話を聞いていた。

洞窟内の魔力を吸い、中身を生成するとの推察があるその宝箱を見つけ、恐る恐る開けるが、中身は薬草、少ない金銭など魔物を倒して得られる程度の低いアイテム。

多分、多くの冒険者が中身を取って行ったために宝の中身がしょぼくなっているのだろう。

まあ、おかげで凶悪な罠がかかったような宝箱がないという利点があるようだが。

特にいいものを得られないまま、次の大陸へ。

次の大陸に着くと魔物のレベルが高くなる。

魔法は通じるが、武器と防具がかなり低い。

ともなると新しい武器が欲しいところ。

が、新しい町の値段が高い。

質がいいというのもあるが、どうも旅人に対してだけ高い。

住民専用の家事用品は良心的だ。

そうなるとどうしたらいいのかと考えながら、レベリングをしていると盗賊に絡まれる。

が、どうも様子が変だ。

顔は醜悪に歪み、口からは涎が垂れていて、正気とは思えない。

そして、その手には目に見えるほどの呪いを帯びた剣が握られていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る