紗和が思う、相談する力って？

第3話 相談できない環境への対処法

相談は問題を解決する大切な手段ですが、それができない環境にいると感じることもあるかもしれません。職場で相談しても取り合ってもらえなかったり、そもそも話を聞いてくれる人がいなかったりすると、孤独感やストレスがさらに増してしまいます。そんなとき、どうすれば良いのか、一緒に考えてみましょう。

まず知っておいてほしいのは、「相談できない環境そのものが問題である」ということです。どんな人でも、悩みや不安を抱えながら働くのは簡単なことではありません。それが相談できる環境であれば少しずつ改善していけますが、相談を受け付けてもらえない、あるいは相談したことで状況が悪化するような環境では、自分を守るための選択を考える必要があります。

たとえば、職場で「忙しいから後にして」と言われ続けたり、「そんなの自分で解決して」と突き放されたりする場合。そのまま我慢して働き続けると、心の負担はどんどん大きくなります。そんなときは、信頼できる第三者に相談してみましょう。職場外の友人、家族、または専門機関やカウンセラーといった人たちに悩みを共有することで、新たな視点や解決策が見えてくることがあります。

また、「相談できる環境を選ぶ」という視点も重要です。もし現在の環境がどうしても改善されないなら、思い切って職場や事業所を変えることを検討しても良いでしょう。特に、就労継続支援の場では、相談に親身になってくれる職員さんがいるかどうかが、働きやすさに直結します。事業所を選ぶ際には、相談体制や対応の丁寧さを事前に確認することが重要です。見学や面談の際に、「困ったときにどのようなサポートが受けられるか」を具体的に質問してみると良いでしょう。

それでも「環境を変えるのは怖い」「相談してもどうせ変わらない」と思うこともあるかもしれません。確かに、新しい一歩を踏み出すのは勇気が要ります。しかし、今の状況で自分が疲弊しているのであれば、その一歩が将来の自分を救うことにつながるのです。環境を変えることで、心身ともに負担が軽くなり、働くことへのモチベーションが大きく変わるケースは少なくありません。

相談できない環境に長くとどまることは、自分を大切にしないことにつながります。「相談できる」場所や人を選び、自分の思いをしっかりと伝えられる環境を見つけること。それが、長く働き続け、より良い人生を送るためのカギとなるのです。

最後に、自分の心の声を大切にしてください。相談は、自分の中の小さな声を拾い上げ、外に出す行動です。その声を無視するのではなく、しっかり耳を傾け、適切な環境を探す努力を続けてみてください。それが、あなたを守り、支える最初の一歩になるはずです。