第12話

ハナside




「ババァ!!」




朝。



レオとトラがお仕事に行って、ハナはババァの元へ。




「だーーれがババァだ、この鼻垂れ娘がっ。シスターとお呼びっ」



「しあたー?」



「誰が劇場だ。シスターだよ、シスター」



「シスター」



「そう」




シスターは満足そうに頷いた。



いつもレオとトラがババァって呼んでるから、ババァかと思った。




「で?なんだい?」



「……」




この間、ハナをイジメた奴らがこっちを見てくる。


トラに蹴られ、レオに脅されてからは何も言ってこない。



それでも許せなくて、イーッと歯を剥き出しで威嚇しているとシスターが何を言ったのか聞き逃してしまった。




「ハーナ」



「ぬっぁぁぁぁぁぁ」




右頬をみょーんと摘まれ伸ばされる。




「用事はなんだい?」



「はっ!!」




そうだった!!


あんな奴らに構ってる場合ではなかった!!



降誕祭の話しを聞いてから考えていたの。



大好きな大好きなレオとトラに何かしたいって。



でもハナに出来ることは何もなくて……


この世で大切なお金?も持ってない……。




だからこの教会で一番長生きの




「誰がババァだ」



「言ってないよっ」




シスターに聞くことにしたんだけど。




「降誕祭にレオとトラに何かしたいのっ。ハナにでも出来ることって何かある!?」



「……ほぅ」




シスターがニタァッと笑う。



こ……恐い。




「たくさんたくさん手伝いをしてくれたら」



「してくれたら!?」



「クッキーの焼き方を教えてやろう。もちろん材料費

はいらない」



「!!」




クッキー!!




「それ、ハナにも作れる!?」



「ああ、作れるよ」



「わかった!!ハナ、いっぱいいーーっぱいシスターのお手伝いする!!」



「良い子だ。頼むよ」



「うん!!」




レオ、トラ、ハナ頑張るから!!


絶対に二人に美味しいクッキーあげるんだ!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

オルフェンズ めけこ @mekeko-427

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ