2ー10

ほんの少しだけ、春の風が吹いてきた時。


ふっと、何時の日だったか、懐かしい記憶を思い出した。


透ける水を表した長い髪をした女性が、にこやかに笑う。


そっと、手を差し伸べる。


僕の思い出の一部。


『神の祝福が、ありますように』


そう、囁かれた時…。


見えてきた世界は、アニメにも出てくる白い世界に、聳え立つ城でした。


な、なんなんだぁぁぁぁ!


僕の、範囲を凄く、超えている。


スケールが、凄い…。


壮絶に、萌える気がしたんだ。


だから…。


娘よ、許せ!


我が道に、悔い無し。


心の中で…。


-…叫びながら。


僕は、旅に、出た。


君の…。


歌を聞きたく。


僕は、探してみる事にした。


夢の中で見た場所を。


世に言う、オタク心で。


今なら、何かに萌えている娘の気持ちが解る。


最高に、良い気分。


『…この、主、自由奔放過ぎるにも、程がある』


式役に言われたが、気にしない。


そんな、夢の中で…。


僕は、嵐の前触れを見た気がした。


楽曲は、揃った。


後は、舞台だけ…。


奏でるは、僕の娘なのだろう。


第一楽章…。


『愛ある夢のボレロ』。


ゆったりした曲だが、印象を与える。


曲調に、旋律が、見えた瞬間…。


-…あの子が、動く。


耳に、残るのが、大事だ。


メロディーは、常に、相手に、印象を与える。


第一楽章が、ゆったりなら、第五楽章は、女の様な繊細さかつ、激しい怒涛を感じさせるメロディー。


僕の頭の中に、流れる曲は…。


君が、用意した最高な武器になる。


砂漠には、夜に咲く花があるらしい。


一雫の、露を垂らすと、咲かすらしいと、聞いた。


君が…。


十七の誕生日を迎えた時に、プレゼントしたいと、思うよ。


砂漠に咲く、夜の花。


オアシスにある水とか、メルヘンチックだね。


父から、娘に。


受け継いで欲しい曲だよ、闇亜。


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