2ー7
過去の経験から、アズは考えた。
この場合は、勿論、母親の反応は、間違って無いだろうが、大叔母の考える事は、唐突過ぎる。何故なら、天界に居た時も、突然と思い出しては、消える癖があった。
それは、彼女の息子であった『靉流』も、理解している。
『母は、唐突に、色々と、用意をしてくれる。僕に、課題をくれた時、嬉しかった。冥界王族である“グラーデン”の過去すらも…素敵で、残酷な運命(さだめ)を、映してくれた…』
全てを、視てきている女性(ひと)だから。
自分の息子に、秘密がある時は…。
-…隠したがる。
それを、叔母も知っていたのを、思い出した。
王族として生まれた宿命を受け入れた時、彼女は、恐ろしい程、急成長を見せた。
『護る』という事『門番』という役目が、如何に重要かを理解した。責任は、常に、背負う物なのだと、背中を見た時、気付かされ『この人は、一番、強い方なんだ』と、思い知らされたのだ。
それから、幾年と、月日が経ち、再び、運命の悪戯が廻り始めたのは言うまでもない。
アズは、心の中で、実感した。
-…紅月家。
『闇亜は、貴方の嫁として相応しいのかを…君の目で確かめてよ。僕は、期待しているよ。あの、気まぐれ女神が…微笑む瞬間を』
数年前、こつ然と、姿を現した紅月 炎夜(あかつき えんや)。闇亜の父親は、古き友と呼ぶべきなのか、亡き父親が、嘆いていた。
尽く、気まぐれで、思い出したら、即、出掛けるという何癖がある男。
しかも、状況を、楽しんでいる一人。
唯一、大叔母を理解出来ている人間じゃないだろうかと、彼は思った。
実は、血が繋がった御子ですみたいな展開なんじゃないかと、最近、思えてきたんだ。
確か、今は、砂漠へ、旅行だったな。
思い返すアズは、唖然とした一ヶ月前。
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