2ー3

第一楽章を弾けるあたり、プロと言えるだろう。

因みに、彼女の場合は、紅月家の教訓から教わらないといけない。何故なら、どいゆう家系なのかを把握しないと名が廃る。

実際、闇炎なんか、地の聖霊王を降臨させた時に暴言を吐いていた。

あれは、扱いが酷い。誰と比べたのかは解る。


『アホ面が、居るんですよ』としか、語っていなかったけど、彼しか居ないだろう。

闇炎が、大方、暴言を吐く時は、幼馴染に関係している。

ま、相手は『闇炎だし、ちょっと、ちょっかいを出したくなるんだよね。ごめんね、アリア…』と、言っていた。


そもそも…。


闇亜の事を、考えたら、段々、哀れになってきた。

母親の企みが、手の平で、解る訳でもないからな。純情な十六歳。

年頃な女の子。


何より、銀色の髪は、綺麗。


異なる瞳は、母親譲りだし…。


世の男は、放っておかないだろう。


『悪い虫が、付かない様に、頼むよ。じゃないと、俺、何するか解らないや』


あれは、曾ての許嫁が、吐いていた。


好青年なのにな。


あの時は、後ろに“彼”を、見たよ。


爽やかなイメージが、崩れていく。


それは、彼女の前世は、冥界王族の皇子様で、中性的な顔立ちというか、父親譲りが良いと、願っていた子だ。


-…故に、将来は、カッコいい男の子を。


目指していた。


だが…。


恐ろしいくらいの遺伝が、働いた。

そう、我が主とも言える曾ての母親の遺伝子が、突発的に、動き出した。

何が、恐いって、愛らしいお顔で、小さく。髪色も、異なる瞳も、全てを含めて、恋愛シュミレーションに出てくるキャラ的な感じなんだ。


しかしながら“未来のセツナ”なのかを、教えてくれなかった。


闇炎、いい加減、戻って来い。


私は…。


神である前に、闇亜の側に、本来は居ないといけない人物だろう。






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