2ー2

それは、昔。

私が私である生命を誕生させた時、その瞬間を、奇跡が起きた。

何時のまにか、民は、崇め讃える様になり。私達は、頂点に立った。


-…紅月家。


本来の字は『暁』だが、その意味をするのは、闇亜の母親だけ。私は、彼女の側で、息をしていて、待っている。


神の力が、目覚めるのを…。


『…これが』


-…曾ての、冥界王族の皇子。


“靉流·G·フィニア”。


言いたいのは、解っている。


姿形が、変わってしまったからな。


故に、お転婆さが、加わった。


『未来で、こんな風に育つとは、不思議だな』


其処は、感心している場合なのか?


私は、彼女が、幼い時から一緒だから、日常的にしか感じない。

幼い頃の闇亜は、全体に、オーラを纏っていた。不思議な事に、前世の記憶を持っていたのだ。

自分が、冥界王族の皇子だった時の事も。


『母親が、腹黒い事もだよな』


思わず、彼を睨んでしまった。


『間違ってはいないだろうアリア』


私は、ソナタと違う。

彼女が、紅月の本来の力を使える様になったら、解る。


『俺は、闇亜が、俺を認めさせるまでは、動かないぞ。母親を見ろ!母親を』


-…ゴホンッ。


彼女は。


少し、厳しい所がある。


娘に…。


前世で生んだ御子を探せるあたりが、鬼だ。


『“未来のセツナ”…』


その意味は、私が、闇亜に仕える事になったら解るのかも知れない。


なぁ…。


闇炎(あんえん)。


それが、闇亜の母親の名前。


砂漠の中でも、生きていけそうな女性。


あまり、噂をしていたら…。


雷が、落ちてきそうだから、止めておこう。


それに、夐莵が居るなら、安心。


第一楽から第八楽まで存在する紅月家専属のボディーガード兼、教育係。

闇炎が、作り上げた楽譜の一部を改良した結果、ピアノを奏でたくなったらしい。

それは、闇亜が、奏でる曲による。

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