第2話 人型メカたちの元ネタって?
トキト「おっ、けっこうおもしろそうなお題じゃん。『人型メカたちの元ネタって?』だってさ」
アスミチ「あれ、元ネタはとくにありません、って聞いたけどな」
パルミ「アスっちさっそくメタ空間のメタ発言きたにゃ」
カヒ「形だけとか、能力だけとか、参考にしたものもないのかな?」
ウイン「そのくらいならあると思うよ。ほら、ドンキー・タンディリーの全高を記憶しているでしょ、アスミチなら」
アスミチ「うん。十七・七六メートルだね」
バノ「アメリカ合衆国の独立宣言の年が元ネタだね」
パルミ「バノっち、それっていち・なな・なな・ろくで、西暦千七百七十六年ってこと?」
バノ「そうだよ、パルミ。そしてこれは十八メートルより少しだけ低い」
カヒ「低いことに意味がある……の? せまいいところをくぐれるとか?」
トキト「そっちは俺も覚えてるぜ。ガンダムより少し低い」
ウイン「偉大なモビルスーツに敬意を表しているっていうわけだね」
カヒ「そういうことなんだね」
パルミ「あとさー、甲冑ゴーレムはどーなん? だいぶちっちゃいよね、ドンちーと比べると。あたしのコクヨウちゃんとかも」
バノ「甲冑ゴーレムとリュストゴーレムはモデルとくにはないようだが、サイズの近いロボットが部分的に参考になったみたいだね。そうだろ、トキト」
トキト「俺? 俺なんかやっちゃったっけ? 俺の赤いゴーレムの動き……は、どっちかってーと、格闘ゲームだし」
カヒ「あと、ほかに、アスミチの青いゴーレムも動かしてくれたよ、トキト」
トキト「あー、最後の場面で、ほんの短時間だけなー」
アスミチ「そのとき使った自動車みたいな走行かな?」
バノ「当たりだ、アスミチ。よくあるローラーダッシュを意識して作られたらしいよ。装甲騎兵ボトムズというアニメが元祖と言われている」
トキト「ロボだから、足の裏に車輪とかがついててもおかしくねーもんな。むしろ歩くより楽に移動できる」
カヒ「ローラースケートってあるよね? そのロボット版だよね」
アスミチ「動力がついてるから、ローラースケートの強化版みたいなものかも」
ウイン「私、アニメやゲームになるとわからないことが多いなあ。あ、じゃあメルヴァトールや、リムエッタもなにかが参考になってる?」」
バノ「マスター(作者)の近況ノート2024年10月1日に、私たちの画像一覧が公表されている。『ポンロボ』が約50話進んだ時点で、ほぼすべての人物とマシンと状況が理解できるのではないか。ここだよ。https://kakuyomu.jp/users/cogitatio/news/16818093085928403359」
ウイン「わっ、助かるよ、バノちゃん。ウィルミーダというマシン以外は、たしかにうん、全部わかる」
パルミ「まだ『ポンロボ』の公開を始める前に、この画像だけ出してあったんだにぇー」
トキト「俺と一緒に描かれているのは……ヘクトアダーだよな」
カヒ「あ、メカはリムエッタとバンハッタが描かれてるよ。『回想・ベルサーム』でガンガンって格闘していたの、これだよね。わたしたちは、見ていないけど……」
バノ「ベルサームに飛来したバンハッタは名前の由来も『番を張った』らしく、
トキト「古い漫画にはでてくるよな、番長。喧嘩が強い」
パルミ「古いって言えばさ、自動車のハンドルでぎゅーんって動かす操縦席を作った子、いなかったん? ウインちゃんは自動車のイメージで操縦席を作ったんしょ?」
ウイン「それがなんで古いかわからないけど、ハンドルもちゃんとあったよ。でも私のはゲームのコントロール・パッドとか、ジョイスティックとかもあったから、結局そっちのほうがかんたんに感じたかなあ」
アスミチ「車輪走行じゃなくて二足歩行だもんね。ハンドルで、って考えにくいかもね」
カヒ「パルミ、ハンドルだとなんで古いの?」
パルミ「じゃんじゃじゃーん、じつはあたし、ハンドル操作はちょっと知ってる。っちゅーのも、巨大ロボットアニメの元祖をちょこっと見たことあんだよねー」
トキト「お、それってさ、パルミ」
パルミ「おっとトキトっち、パルミの命は尽きるとも、そこから先は言わせない。パルミ、アニメのマジンガーZにボスボロットっていうメカが出てくること、知ってます。にしし、すごいっしょ」
バノ「生まれる前のことを知っているのはすごい。だが、ボスボロットのすごさがわからないな……」
アスミチ「えっと、マスター(作者)の知るところによると、ガラクタから学生『ボス』が作り上げたオンボロのロボットで、ハンドル操作で動く。ボスは操縦時に調理用語の鍋をヘルメットとしてかぶる……」
カヒ「それってなんだか、ちょっとポンコツロボって感じがするね!」
ドン「それじゃ、ボクもそのボスボロットを参考に生み出されたのかなあ」
バノ「そういうつながりは、ないそうだ。作品名のポンコツというのも、いつかウインが言っていた、ちょっと頼りない、強すぎることのないロボットのイメージでつけられたそうだから」
ドン「そっかあ……」
トキト「残念がらなくていいんだぜ。誰かの真似して作られたより、いいことなんだろう。な、バノ」
バノ「真似したり参考にしたりすることが、いつも悪いってわけじゃないよ。けれど、オリジナリティがあることは、誇っていいことだと思う」
パルミ「変形は? 変形するメカって多いっしょ。これは参考になってるっしょ」
バノ「そうとも言えるね。ドンは、のちのちというか、第一話の冒頭で平たくなってドン・ベッカーという乗り物の形になっている。ただ、アニメとかゲームの一般的な設定とはかなり違う」
ウイン「違うんだ。自動車みたいになるロボットが少ないとか……まあ、このサイズの自動車っていうのがそもそもないかもだけど」
バノ「変形といえばまずは飛行機ってことになるだろうが、たぶんつぎに多いのが自動車じゃないかな。陸上移動が楽になることは説得力があるし、操縦するのも楽しい」
アスミチ「そうなると、ドンが違っているのって、どういうとこなんだろう」
バノ「そうだね、アスミチ。ドンはそもそも、体のかたちが一定していないだろう?」
カヒ「ちょっと壊れてしまっているから、ということじゃなくて?」
バノ「カヒ、それもある。だが、小さなブロック構造をこまかに移動して、ちょっとだけ平たくなったり、完全にベッカーの姿になったり、あるいは車輪を出したり、ベッカーの形態のまま脚で歩行したり、これという決まった形がない。どの形態もドンキー・タンディリーだ」
カヒ「あ、言われてみればそうだね。ドンってそういうふうに初めから形をいろいろと変えていたから、珍しいって思わなかったよ」
トキト「細かい部品で自由になるとは言えるけど、効率よく変形しようと思ったら、アニメのメカみたいに、サバ折りとかねそべりとかで変形したほうが楽かもしれないよな」
アスミチ「そうだね。まだ試していないだけで、そういう変形のほうが手間がかからなそうだよ」
バノ「うん、トキトとアスミチの言うことにも一理ある。ドンのノーマル・フォームは修復が進むに従って、効率のいい変形をするようになるんだろうね」
ウイン「あ、あれ? バノちゃん、今、なにか限定したよね。ノーマル・フォームでは、って」
バノ「うん。本編のネタバレになるから、今は言えないけど、マスター(作者)は、ドンがいずれ違う意味で形を変えるシーンを用意しているようだよ」
アスミチ「えーーーーーーっ、知りたい、知りたい、知りたい」
バノ「もう絵も作ってもらってあるんだて」
トキト「俺も、見たい見たい見たい」
パルミ「ロボの話になると、これだから男子は……ってカヒっち!?」
カヒ「わたしも、ドンのべつの姿、見たいよ見たいよ見たいよ、見たいよ?」
ハートタマ「オイラが思念をちょっと深くまで感知したところ……少しは形がわかったぜ」
バノ「ふえっ、ハートタマ、あんまりやりすぎないように頼むよ……わりと重要なことらしいからさ」
ハートタマ「わかったぜ、バノ。あのな、ある程度まで物語が進むと、ドンはすらっとする」
カヒ「すらっと……」
アスミチ「それだけだと、よくわからない……」
ハートタマ「あと、六個だか八個だか、ダッハ荒野に出発したころにドンが言った『ディカス・モメンタム』が完成して、そのスリーブが肩とか関節とかにガチャリと装着された形になる……とか。なにひとつオイラには意味がわからねえ。思念で受け取ったまま、言ってみたぜ」
バノ「ディカス・モメンタムが六個……これは、私は本編ではこの記憶は封印しないといけないな」
ウイン「あっ、わりと重要な仕組みだったの、バノちゃん」
バノ「ああ。メルヴァトールにも搭載されている仕組みだ。やはりドンはメルヴァトールと同じ文明の機構を持つ」
ドン「わっ、すごい。ボクの正体にかなり近づいたね!」
トキト「いや、まずいだろ、こっちの空間で正体に近づいちゃ、ダメだろ!」
アスミチ「マスター(作者)から盗み出したようなもんだしね、この情報」
パルミ「アスっち、『ようなもん』どころじゃないって。ハートタマがばっちし窃盗やらかしてるって」
ハートタマ「すっ、すまねえ。地球人にはこういうことできねえから、ルール違反だったな」
カヒ「きっと大丈夫だよ、ハートタマ。ここまでくらいなら、最初からわかっていてもいいように物語が作られるはずだから」
ハートタマ「だといいが……」
バノ「ディカス・モメンタムは、本編でも私が指摘することになるが、フライホイールという現実の仕組みと近いものだよ」
ウイン「現実のものなら、アニメとかに元ネタがあるわけじゃないんだね」
パルミ「アニメの元ネタっちゅーたらさ、あれは? イムテンドンだかエビ天丼だか、メルヴァトールが磁力の攻撃してたじゃん」
アスミチ「あれ、
バノ「直接ではないが、漫画『キン肉マン』や、『ジョジョの奇妙な冒険』には似た攻撃シーンがあるね。敬意を表して、ボニデールの技名の叫びに、それっぽい感じを入れたらしいよ」
ウイン「じゃあ、ドンがしゃべるロボットだっていうところも、なにか参考になったものがあるのかな?」
バノ「ウインはドンの名付け親でもあるから、そこが気になるね。とはいっても、しゃべるロボットは最初の国産アニメとして有名な『鉄腕アトム』からして、表現されてきたメジャーな存在だ。これは『しゃべるロボットか、しゃべらないロボットか』の二択を選ぶしかないという話だろうね」
パルミ「ドンが学習して口が悪くなったら、『クソ野郎』とか言うようになったりしないのん?」
ウイン「もう、パルミはたまに口が悪いよ」
ドン「ボクが『クソ野郎』って学習しても不思議ないっちゅーか、ボクがそれ言っても、ぜんぜん感動しなくね? って感じだよ、パルミお姉ちゃん」
パルミ「ひゃっ、あたしの口調を学習するのは、勘弁、ドンちぃぃー(汗)」
バノ「そういう直接的な台詞の引用はないだろうが、リスペクトをもってガンダムからちょっとなにかを引っ張ってくる、みたいなのはあるようだね。メカのことばかりではなく」
カヒ「へえ、そういうのもあるんだ」
アスミチ「カヒ、君がたぶんぼくたちの中では最初だよ。あれだよ、『タムラの塩』」
カヒ「えっ、それって『伯方の塩』っていう現実のからとったと思ってた」
バノ「ガンダムでタムラ料理長という人が塩が足りないという話をするシーンがあったようだね」
カヒ「へええー。ちょっと楽しいね、そういうのがわかると」
ウイン「さて、メカの話から離れちゃったね。そもそもメカ、『異世界ポンコツロボ ドンキー・タンディリー(1)』の段階では、あまり出てきてないから無理もないか」
バノ「ウインの言う通りだね。今後はメルヴァトールも全機が登場するだろうし、モルヴド・プライマリと分類されるメルヴァトールと同格のメカも出てくる」
トキト「おおお、出てくるんだ、そんなのが」
ウイン「トキトはうれしそうだねー」
バノ「ふふ、ウインは自分には関係ないみたいな感じでいるようだね」
ウイン「えっ!?」
バノ「とにかく、現時点では元ネタというのがそんな感じで、今後も、似たような展開になるのじゃないかな。あからさまにアレとまるっきり一緒だ、というのは出てこないと思う」
アスミチ「早く、見たいや」
(つづく)
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