第4話。/ 対価。

『あなた様の幸運に関する事なら、なんでも可能です!』



な、なんでも───?

思わず頬が緩む。

こんなチートアイテムが突然俺の手に─────



『ただし!!!』

『残念ながら、条件がございます。』


ナガンの声が少し暗くなった気がした。




『ご主人様には、この"魔法"を使用していただくために、"対価"を払っていただく必要がございます。』


「対価?まさか───────」




『その"まさか"でございます。』



『ご主人様には、持ち手を使用して、"ロシアンルーレット"に挑戦していただく必要があります。』



『いわゆる、"ハイリスク、ハイリターン"というヤツです。』


『リスクが高ければ高いほど、私の……魔法の力は大きくなり、様々な事ができるようになります。』




やはり。これで話が繋がった。

ロシアンルーレットをする必要性。前任者が死んだ理由。前任者が残した言葉の意味。




「─────ところで、俺は一発のロシアンルーレットから生還したが……何ができるんだ?」


『はい!弾丸一発が人命一つ分の価値なので……大体、くらいの事はできますよ!』


「────具体的には?」


『そうですねぇ……あ、明日の天気が当たるとか!!』



─────思っていたよりもしょぼい答えが帰ってきた。明日の天気だと??


『人の命は意外と軽いですよ〜昔の人は"雨乞い"の儀式のために、生贄を使っていたそうです!』

『ならばならば!天気を変えるなら人の命一つ分ですよね!!』



「じ、じゃあ、さっき言ってたみたいな、競馬の結果が当たるみたいなのは……」



『いやぁ、当たる値段によりますかねぇ……今なら300万くらいまでなら当てれると思います。』




俺はガッカリした。

何か……思ってたよりもがショボそうだったからだ。


だが、運を操る力か……




何をしようかと考えていると、突然、部屋の窓が割れた。



割れた窓の外には、片手に本を持った見知らぬ男が立っていた。




「遂に見つけたぞ!"運命の輪"!!さっさと魔法道具を渡すんだな!!!」

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銃と魔法とルーレット。 愚者 @T_H_E__F_O_O_L

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