『あんぽんたん』と『とんちんかん』
万年ニュートラル
『あんぽんたん』と『とんちんかん』
ある村に双子が産まれました。
二人は本当にそっくりで、誰にも見分けはつきません。
大きくなっても、変わることはなく、家族でも間違えます。
村人たちは困りました。
ですが、ある日二人の違いに気付きます。
言葉が違ったのです。
一人は「あんぽんたん」なことばかり、
一人は「とんちんかん」なことばかり言います。
村人たちは確かめました。
すると確かに、一人は「あんぽんたん」なことばかり、
一人は、「とんちんかん」ことばかり言います。
この日から、
「あんぽんたん」なことばかり、言う方は『あんぽんたん』と、
「とんちんかん」なことばかり 言う方は『とんちんかん』と、呼ばれるようになりました。
こうして、二人を間違えることはなくなり、村人たちは喜びました。
しばらくすると、『あんぽんたん』と『とんちんかん』を間違える村人がでてきました。
二人の言葉をよく聞いてみると、
『あんぽんたん』は少し「とんちんかん」なことを、
『とんちんかん』は少し「あんぽんたん」なことを言います。
村人たちは困りました。
これでは、どちらが『あんぽんたん』で、どちらが『とんちんかん』かわかりません。
そして、
『あんぽんたん』を『とんぽんたん』
『とんちんかん』を『あんちんかん』と呼ぶことにしました。
こうして、二人を間違えることはなくなり、村人たちは喜びました。
それから、しばらくすると、『とんぽんたん』と『あんちんかん』を間違える村人がでてきました。
二人の言葉をよく聞いてみると、
『とんぽんたん』はかなり「あんぽんたん」なことを、
『あんちんかん』はかなり「とんちんかん」なことを言います。
村人たちは困りました。
これでは、どちらが『とんぽんたん』で、どちらが『あんちんかん』かわかりません。
そして、
『とんぽんたん』を『とんちんたん』
『あんちんかん』を『あんぽんかん』と呼ぶことにしました。
こうして、二人を間違えることはなくなり、村人たちは喜びました。
また、しばらくすると、『とんぽんたん』と『あんちんかん』を間違える村人がでてきました。
二人の言葉をよく聞いてみると、
『とんぽんたん』は「あんぽんたん」なことを、
『あんちんかん』は「とんちんかん」なことを言い出しました。
村人たちは困りました。
これでは、どちらが『とんぽんたん』で、どちらが『あんちんかん』かわかりません。
そして、
『とんちんたん』を『あんぽんたん』と、
『あんぽんかん』を『とんちんかん』と呼ぶことにしました。
こうして、二人を間違えることはなくなり、村人たちは喜びました。
ある村に、『あんぽんたん』と『とんちんかん』と呼ばれるそっくりな双子がいました。
おしまい
『あんぽんたん』と『とんちんかん』 万年ニュートラル @neet003
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます