7. 天地無用

 〈白い人〉の世界が衰退した後には、〈黒い人〉と〈黄色い人〉中心の世界が繁栄した。


 そして、「あべこべ装置」により、地球環境は豹変ひょうへんし、多くの価値観が、あべこべになった。

 

 だが、何度世界をひっくり返そうと、しいたげげる者と、しいたげられる者が存在することには変わりない。


 誰が得して、誰が損するか。


 誰、が入れ替わるだけ。


 それだけの違いしかない。

 

 結局、全ては終わりなき一進一退シーソーゲームであり、白だろうが黒だろうが、本質的な意味での「優劣」が決まることはない。


 「優」と「劣」というものは、その時々で、揺れる。


 激しく比べ合う者たちの行く末は……


   〈了〉

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あべこべ世界 加賀倉 創作【書く精】 @sousakukagakura

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