「面白い恋愛」の書き方

崖の上のジェントルメン

「生きたキャラクター」が恋愛を面白くする


恋愛の物語を書くにあたって、重要な要素はなにか。


それは言わずもがな、キャラクターの面白さだと思います。


ツンデレキャラは可愛いなとか、クーデレキャラはカッコいいなとか、そうした「この人は魅力的だな」と思う人が恋をするから、物語が面白くなる。


では、魅力的なキャラクターとはなんなのか?それは、「生きたキャラクター」だと思います。


生きたキャラ同士が恋に落ちるから、面白くなる。生きた人間の感情のぶつかり合いが、物語をドラマチックにする。


これは、恋愛ジャンルに限らずそうだと思います。


悟空とベジータが一緒に戦うから、ドラゴンボールはワクワクする。


桜木花道と流川楓が協力するから、スラムダンクは熱くなる。


つまり、「え!?あいつとあいつが交流すんの!?やばっ!エモ!」という状況になるのが、一番望ましい展開だと思います。


特に恋愛は、その要素がかなり大事になります。なぜなら、バトルやミステリーなどは、人間ドラマ以外の要素で面白さを見いだすことができますが、恋愛はそのドラマ自体が主軸なので、ここをおろそかにすることはできません。


ここまでは、当たり前すぎてなんの参考にもならない創作論でしょう。私ごときが語ることすらおこがましい。そのくらい、基礎基本になる部分だと思います。


では、そもそも「生きたキャラクター」って、なんなのでしょうか?


なにをもって、生きたキャラクターと言うのでしょうか?



私はこれを、「変化するキャラクター」だと考えています。



生きるということは、変化するということ。心が動かされるということ。


今まで持っていた価値観が、恋を通して新しい価値観を手に入れていくこと。


例えば、男性のことを見下してる高飛車な女の子がいたとします。


「男なんて、短絡的でバカで、デリカシーのないやつらばっかじゃない?はっ!そんなの好きになるわけないわ!」


そんな風に思ってた女の子が、優しくて紳士的な男の子と出会ったことによって、自分の価値観が揺らいでしまう。


「ね、ねえ、どうして私に連絡くれないのよ。私、あなたのことは特別に認めてるのよ?だから……ほら、こっち向きなさいよ……」


自分が今まで作っていた固定観念を破って、新しい価値観に足を踏み入れようとすること。これこそが「生きたキャラクター」の本質だと思います。


冷たかった人が、恋をすることで優しさを知る。


傲慢な人が、恋をすることで自分を省みれるようになる。


キャラクターが、恋を通じてどう変化するのか?どう成長するのか?そこまで描くことで、キャラクターに血が通い、存在感を増してくるのです。


そして、その存在感を増してきたキャラクターたちが、お互いに感情をぶつけ合う。これこそが、面白い恋愛物語だと言えるのではないでしょうか。

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