第3話・黒狐と赤狐

 挙式一日前──レアとネオは、赤狐と黒狐に呼び出されて。

 アルケ家とミスト家が中立地区に定めた。

 鉄条網で囲まれた古い施設に来ていた。


 すでに、最初に赤狐と黒狐から百合と薔薇の洗礼を受けてしまってから数回に渡り。

 機会があるたびに赤&黒紫の触手と赤狐&黒狐から〝寝取られ調教〟をされてしまった美麗令嬢のレアと美形令息のネオは。

 呼び出された建物の中で、互いのパートナーと会って動揺した。


 黒狐が薄笑いを浮かべながら二人に言った。

「どうだ、お互い別々に〝同性寝取られN T R〟されていると知って驚いたか」

 赤狐も意味ありな笑みを浮かべて言った。

「もう、あんたたちは清らかな体じゃない……女を受け入れ、男を受け入れている百合と薔薇ばらだ」


 レアとネオは、自分たちが純潔を失った体になってしまったと、知った。

 黒狐と赤狐に、なぜか少しあわれみの表情が浮かぶ。

 黒狐がほこりを被った実験器具が酸らした室内を指差してレアとネオに言った。

「どうだ、この部屋を見て何か感じないか……場所は違うが、懐かしさを感じないか」


 レアとネオの脳裏に、いきなりフラッシュバックしてきた記憶──フラスコの中から、裸身で室内を見ていた記憶が二人に甦る。

 頭を抱えて苦しむレアとネオ。

「あぁぁぁ……そうだ、思い出した」

「わたしたちは……錬金術の実験で」


 苦しむレアとネオに無表情で言う赤狐。

「おまえらが誕生したのは四十週間前……おまえたちは、アルケ家とミスト家が和解の挙式をさせるために、作り出した人工生命体ホ厶ンクルスだ」


 レアとネオに過去の記憶が抜け落ちていたのは、二人が作られた命だったからだった。

 残酷な事実を知らされて放心状態の二人の衣服を脱がしていく、


「実はアルケ家とミスト家の一族の中にも、人工生命体ホムンクルスの人ではない者を、両家の代表として挙式させるコトを快く思っていない者がいてね」


 裸身にしたネオの胸板を撫で回しながら、黒狐が言った。

「最初は挙式前に、二人を別れさせる依頼だった……」


 赤狐も裸になると、裸身のレアを抱擁して、スタイルがいい少し反ったレアの背中と臀部でんぶを撫で回しながら言った。

「ところが、美しい令嬢と令息の挙式が話題になるにつれて、二人を別れさせるのは得策でないと……依頼変更をしてきた」


 百合と薔薇ばらの偽りの挙式……女に抱かれ、男に抱かれる、偽りの新婦と新郎。

 レアとネオの出会った時の運命は、黒狐と赤狐の手によって。

 幸せな結婚から、百合と薔薇ばらが結婚する運命に書き換えられた。


 赤い触手の女王と、黒紫の触手の王が。

 赤狐とレア、黒狐とネオを蠢く触手で包む。

 男と女にキスをしてから、裸の黒狐と赤狐が言った。

「実はオレと赤狐も、呪法で誕生した命……偽りの命同士で楽しもうではないか……もっと男を受け入れろネオ」

 ネオの男のシンボルが黒狐の手で、愛される。

 触手王の黒紫色の末端が、ネオの深部へと侵入を開始する。  


 赤狐が言った。

「最初の依頼で、餌付けする予定が、種付に変わっただけ……今日はいつもより深い部分の汚れていない箇所を、触手と一緒に責めてあげる……レア、おまえは百合の花嫁となって偽りの挙式をするのよ」


 美麗令嬢レアと美形令息ネオの、涙を流した悦楽の喘ぎ声が、廃棄された錬金術の共同研究部屋に響き渡った。


「あぁぁぁぁぁぁ!」

「おぉぉぉぉぉぉ!」


 

美麗令嬢と美形令息カップル……百合と薔薇にネトラレる~餌付けされるはずが種付けされてしまいました~おわり

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美麗令嬢と美形令息カップル……百合と薔薇にネトラレる~餌付けされるはずが種付けされてしまいました~ 楠本恵士 @67853-_-

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