第2話

「え…!?私に、ミッション!?」

「はい。」


ワッカはビックリしました。

何故ならこんな自分にも、とうとうお仕事が来たのです!うそでしょう!?夢みたい…!

今日から どきどき の 初ミッションです…!



しかし何故、突然私に、ミッションを?



「何故ですか?」

「リストによれば、下界に住むとある日本人の女児が今日から、四年生になると伝う。

と同時に、なんらかのアクシデントで学校に行かなくなったそうな。

…と言うワケだ。この転機にワッカ、チャンスなんだがどうかな?」




ふ、不登校児を相手にするのですか?




「む、無理です。」

「できる。大丈夫だから、やってみなさいな。」

「そんな根拠どこに…」


「アナタは、可憐で純粋だ、ワッカ。」


『――……ッ』


天界管理人様…

よーし…




「わかりました。いってきます !」


―――――――――――――

―――――――――

―――――

――



こうして。

私は勇気を出して下界に降りました。

ここが、下界ですかぁ……

初めて観ましたがなんと伝うか。

超未來の様ですね ( どっちが超未來だ )



辺り一面、建物だらけ。そして綺麗に身を纏う衣は日本人らしく清潔感に包まれているようです。ちなみに、天使の私も日本人です。


さてと―――――………

ターゲットの女の子を見つけた。

あの子にちがいませんね 。



ターゲットの女の子は河原で何かしているみたいです。こちらからは上空から探しだせます。女の子の写真と、一致。

よし、いきますよ ! あ~ドキドキする… !



「チャピ、おなかすいたの?」

「…!」


ターゲットの女の子は、河原でどうやら動物と触れあっているみたいだ。

… ! あの動物は、まさか…




「その魔獣に触れてはなりません ! 」

「だ、だれ?」

ワッカがターゲットを助けに飛び出そうとした !



―しかし次の瞬間―




ピカッ

と、魔獣が光だしました。

羽を広げてターゲットの女児を、風をなび 靡かせ威嚇してきました。



これはいけません…!



止めるのは私しかいません !

しかし、何故こんなところに魔獣が!?

と、とにかく…ゆ、勇気を、勇気を、

勇気を出すのです…!

ワッカ !






「危ね。」

「う…うう…?」


――― ! ―――


人間の男の子が、どうやら助けてくれたらしい。15歳くらいの少年だろうか。少年はターゲットの女児を抱き寄せ背中を摩る。


「もう、大丈夫だぜ。」

「…っう、うん。ありがとうお兄ちゃん。」




「…つ」




ワッカは、悲痛な叫びを喉に飲み込んだ。

¨そこは、私の立場では?¨

しかし、現実は そう いかない。


ワッカは、二人の打ち解け会う仲から目が離せない。その時、少年の目と、天使の目があいました。




「…………っす、すみません ! 」

「え?おい、待てよ…………!」




誰だアンタ!? と、聞かれる前に、涙をいっぱいにしてワッカはその場から逃げ去りました。―――――………私にはできなかった。


―――――ただ、それだけの現実


――やっぱり私はみんなとちがう


―できない天使なんだ





ワッカは走った。

走って、走って、人間の追い付かれない鳥の様な速さに羽ばたいて。

木漏れ日の下で、息を切らした。

木に手片を置いて、膝を屈折し、呼吸を整える。


ここで、ありったけの涙声を出した。



「わたしの、できそこないがっ!」



あの魔獣は何処の魔属の手送りだったのか。



私はつくづく思い知らされた。

【見えない視線が心を中傷し、

己に叱咤する声が聞こえた…。

そんなのは誰だって嫌だが、

その逆境が自分の心を強くする】


かもしれない………。


そんな気もするまでもなく

現実は辛くて

だから

人間も、人も、私も

時には¨自分を逃がしてやってもいい¨

また。

還って来て来れるのなら。



黒い魔獣の視線とも知れずに。

『――――…ガルルル…。』


後ろ背に隠れた威嚇に気づかずに…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

天使の居場所はココにある 菫礼まどか @magic-0405

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ