黎明期よりの使者

岸亜里沙

黎明期よりの使者

天を裂く風がはじけ、透明な水面みなもを揺らす。

名もなき花の薫りは、みちを彩るように愛をうたう。

乱反射する虹の螺旋らせんに、心を奪われながら。

此処ここは破滅と、再生の果て。

失ってもなお、私たちは何を求め続けるのか。

残酷な純白の闇を、美しき漆黒の光が照らすように。

すべてが無意味で、すべてが規則正しい。

今、遥かなる孤独が、耳に騒々そうぞうしいほどの静寂を浴びせている。

神秘の大宇宙の片隅、夢中でおどれ、勇者たちよ。

燃え尽きた命のは、時空を駆けるのだろう。

無駄にはしない、その聡明そうめいなる希望を。

を閉じることさえ忘れて、遠くをている。

私たちは黎明期れいめいきよりの使者。

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黎明期よりの使者 岸亜里沙 @kishiarisa

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