消炭色の修羅纏う無頼の侍白花ノ巫女に出会う

瘴気が凝る地の果てへ、孤高な男は
『贄の巫女』を伴い旅路を征く。
白花の巫女と呼ばれる彼女の霊力を以って
瘴気に穢れる忌み地の神を浄化する為に。
西方に座すという巨大な白い華、双頭の
白蛇、日と月の神、畏ろしき光芒の許へ。

銀狼衆の手練れの侍、蓮二と、神贄となる
白花の巫女、沙耶の道行は、瘴気に穢れた
魔物の気配が渦巻く。

 瘴魔を斬る男、そして我が身を省みず
   瘴気を鎮める女…。

反感、戸惑い、そして違和感を持つ二人の
道行は、幾多の危機や困難に出会いつつ、
少しずつ心の距離を縮めて行く。

  瘴気穢れた神を浄化する為の生贄、
そして我が身を省みずに守る侍。

この短編は【白花冥幻譚】の第一の章、
『紫燐ノ森』のエピソードを切り取った
ものである。如何にこの美しい物語が
始まったのか…。
 作者の 書庫 には本編があるので、
是非とも続きを確かめられる事を。

余りにも美しく、そしてもどかしくも
心躍る素敵な冒険譚の、始まりである。