第2話「怖すぎる封じられた森」/「怖すぎる鬼門を開く十三の儀式」

『怖すぎる封じられた森』


蔵枡村(ぞうますむら)は、山陰地方に存在する。


その村は、かつて静かな山間の里に存在していた。名前は記録に残されていない。人々はそれをただ「隔離部落」と呼んでいた。

きっかけは疫病だった。突然の高熱、赤く腫れ上がる肌、激しい咳と吐血。


 それが村全体を飲み込み、人々は次々と倒れた。外の村々は恐怖に駆られ、病が自分たちに広がることを避けるため、村を丸ごと隔離することを決めた。

隔離された村では助けを求める声が山を越えて響いたが、誰も助けには来なかった。


 時が経つにつれて、村人たちは自分たちが見捨てられたことを悟り、次第に狂気が蔓延していった。疫病の影響で亡くなった者たちを埋める余力もなく、

村のあちこちに死体が積み上げられ、瘴気が漂うようになったという。


 ある晩、外の村の少年たちが興味本位で「隔離部落」に忍び込んだ。

そして、その村を「疫病で汚れた地」と決めつけ、悪戯で家屋に火を放った。

村は瞬く間に燃え上がり、村人たちは命からがら森の奥へ逃げ込んだ。だが、その先もまた逃げ場のない絶望の地だった。

燃え上がる炎に追い詰められ、彼らは森の深くで息絶えたという。


 それ以来、その森は「封じられた森」と呼ばれ、近づく者はいなくなった。


 ある雨の夜の話だ。
友人の一人が、興味本位でその森に足を踏み入れることを提案した。都市伝説好きな私たちは怖いもの見たさもあり、4人で深夜の探検を決行した。


森は暗闇に沈み、月明かりすら木々の間から届かなかった。

 歩くうちに、奇妙なことに気づいた。周囲の音が消えている。虫の鳴き声も、風の音も、私たちの足音すら消えているように思えた。

 そして、森の奥でかすかに明かりが揺れるのが見えた。私たちはそれが何かを確かめたくなり、恐怖を振り払って進んでいった。

 そこに広がっていたのは、廃村の跡だった。半壊した家々が無造作に点在し、朽ちた柱や壁に苔が生えている。

 だが、不気味だったのは、そこに漂う焼けたような臭いだ。

 もう何十年も前に焼き尽くされたはずなのに、灰のような臭いが鼻を刺していた。


 「帰ろう」と誰かが言ったとき、私たちの背後で足音が聞こえた。

 それも複数の、ゆっくりとした足音。振り向くと、そこには誰もいなかった。

 だが、視線を感じた。木々の間から、何かがこちらを見つめている――そう確信した。

 突然、友人の一人が叫び声を上げた。「燃えてる! 村が燃えてる!」と。

 その瞬間、私たちの目に炎が映った。だが、それは現実ではなく、まるで幻のように村全体が燃え上がっていた。

 そして、その中を歩く影――人のような、でも人ではない何か――がこちらに向かって走ってくるのが見えた。


それは……


それは、額に『祝殺』と書かれた殺人サイボーグ『ZTーKLS(ゼッタイ○ロス)666』だ!


5キロの速度で、木と野生動物を薙ぎ倒しながら、「アイヤアアアア!!!」と叫びながら走ってくる!

一番恐ろしいのは、彼自身、彼の力を制御できないところだ。

 彼のブレーキは破損しており、何より彼自身がパニックを起こしており、俺たちを通り過ぎて、「イヤアアア!!」と叫びながら崖から落ちた。

友人は思わず叫んだ。

「馬鹿野郎!! 折角の雰囲気を台無しにすんじゃねえよ!!」



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『怖すぎる鬼門を開く十三の儀式』


立山連峰の麓にあるその町には、古くから語り継がれる禁忌があった。


「鬼門を開く十三の儀式」。
それを行えば、封じられた怨霊たちが現世に蘇り、災いが広がるという。

しかし、詳しい内容は語られることがなく、ただ「絶対に行ってはならない」という戒めだけが残っていた。だが、それは禁忌に触れたい人々の好奇心を掻き立てる結果となった。


ある晩、大学生のグループが廃神社に集まった。
リーダー格の男、斉藤が持ってきた古びた巻物には、儀式の手順が記されていた。彼は、それを「ただの作り話だ」と笑い飛ばしていたが、仲間たちはその巻物の異様な雰囲気に言葉を失っていた。

巻物には墨でこう書かれていた。

「鬼門を開かんと欲する者、十三の行いを成すべし」

1 夜半、東北の方角で火を灯す。

2 動物の骨を神前に供える。

3 …
(以下、詳細な儀式が続く)

斉藤は一人一人に役割を振り分け、儀式を冗談半分で始めた。


最初のいくつかの手順は問題なく進んだ。月明かりの下、神社の境内に灯る炎が、不気味に揺れている。途中、友人の一人が躊躇したが、斉藤が「こんなもの、ただの遊びだ」と説得した。

だが、第七の儀式に差し掛かったとき、奇妙なことが起こり始めた。

その儀式では、全員が手を繋ぎ、口々に「鬼門、開かれよ」と唱えることになっていた。

だが、その声が境内に響いた瞬間、周囲の空気が異様に重くなった。まるで何かに圧し潰されるような感覚が全員を襲った。

突然、神社の森から奇妙な音が響いた。それは、低く、唸るような声だった。

「……聞こえたか?」


一人が恐怖に震えながら声を絞り出した。だが、斉藤だけは笑っていた。


「ただの風の音だろう。こんなものでビビるなよ!」


第十の儀式を迎えるころには、笑いは消えていた。
儀式に従い、斉藤が神社の古井戸に何かを投げ入れた瞬間、井戸から赤黒い液体が溢れ出した。それは血のような臭いを放ち、井戸の周りを染めていった。

「なんだこれ……?」


全員が後ずさりした。その液体が、まるで意志を持っているかのように動き始めたからだ。

そして、儀式の最後、十三の行いが終わる瞬間――
巻物の文字が、一斉に燃え上がったかのように黒く変色し、何も読めなくなった。

その時、地面が震え、境内の奥から黒い影が現れた。それは……



それは額に「本日の悪役」と書かれた、

殺人サイボーグ「ZT-KLS(ゼッタイ○ロス)666」だ!!


「コワイイイイイイイ!!!」

と叫びながら、境内を殺人光線で焼き払っている!

彼の恐ろしいところは空気が一才読めないところだ!!

斎藤は半ば諦めの表情を浮かべながら呟いた


「馬鹿野郎! 雰囲気と境内は壊すんじゃねえ!!」

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