【催眠アプリ】『理想のおっぱい育成!!』で、‘’Gカップ‘’幼馴染をとにかく揉みまくる!!!!

ハッピーサンタ

貧乳マニア、巨乳に触れる。

 とある夏の日。


「な、何なんだ?このアプリ……」


 俺はスマホのホーム画面に表示されているとあるアプリに目をやる。

『理想のおっぱい育成!!』……こんなアプリ入れた覚えなんてない。というか、俺はそもそも男だぞ。当然、俺におっぱいはない。じゃあ、いったいこのアプリは何なんだ……?

 そんな疑問を残しながら、俺は説明文に目を通した。


『このアプリは、おっぱいにお悩みを抱える女性を、ユーザーである男性が救うために開発されました。このアプリでは、巨乳になりたい貧乳の女性はもちろんのこと、巨乳をコンプレックスに感じる女性の胸のサイズを小さくすることができます。あと、陥没をそうじゃなくしたいとか……』


 ふむふむ。何を言うとるねん……でも、あとちょっとだけ気になるから続き読もう。


『では、どうやって悩める女性のおっぱいの大きさを変えるのか。やり方はいたってシンプルです。!!とにかく、おっぱいを揉む。これだけです。』


 ……。


『ステップ①:先ず、このアプリを起動し、画面を見せると女性が催眠状態にかかります。その際に、自分のおっぱいに悩みを抱えていないかを尋ねてみてください。悩みがあると女性側が答えた場合はステップ②に進んでください。*ないと答えられた場合は、その場で催眠の効果が消えます。これはこのアプリを利用した男性のセクハラを防ぐためです。

 ステップ②:あとはおっぱいを揉みまくるだけです。おっぱいを揉みまくれば、揉まれた女性の理想のおっぱいになっていきます。

 男性の愛で是非、おっぱいに悩める女性を救いましょう

 *ただし、このアプリで何かあっても弊社は一切の責任を負わないものとする』


 最後の一文、都合良過ぎだろう。というか、そもそも誰がこんなの信じるわけ……。俺も高校二年で、流石に下ネタ覚えたてのエロ漫画を信じてる中学生の童貞ではない。

 あっ……童貞なのはほんとです。まあ、こんなの信じるわけないし、絶対に試してみるはずもない。



 ●○●



 後日――。


「なに……」


 スマホに目を落としたまま、気のない返事が返ってくる。せっかくの鈴の音のような綺麗な声をしているのに、こういう可愛らしくないところが非常に残念だ。

 まあ、いい。これから始めるとしようか。


 ――そう。であのアプリを試そうと思う。

 その前に、催眠アプリを試す彼女についてと、その彼女で試そうと思った経緯について少し説明する。


 小柳こやなぎ穂乃花ほのか。スタイル抜群で夏服のセーラー服もよく似合っている黒髪ボブの美少女。紫紺の瞳に、整った鼻筋。ぷるっとした柔らかそうな桃色の唇。全てが魅力的で、気を抜くとすぐに彼女に惹かれてしまう程の魅力がある。

 ベストを脱いでカッターシャツ姿になっている彼女。襟元から見える、少し汗をかいた首筋を始め、半袖から出ている細くて綺麗な腕から指先のひとつひとつ、スカートから出ている靴下までの間の膝の肌まで、全てが色白で、とても綺麗だ。

 そして、何より惹かれるのは、彼女のだ。の俺でも、つい見とれてしまいそうになる程のの持ち主だ。

 汗のかいた薄手のカッターシャツから、水色のレース付きのブラも透けて見える。


 E,F,Gカップは普通にあるのか。


 ……いかん、いかん。にそんな目を向けてしまっては。

 俺はこうして、いつも穂乃花からなんとか目を逸らして、なるべく性的な目を向けないように努力している。

 そう。彼女は俺の幼稚園からの幼馴染だ。俺と同じで高校二年で同い年。クラスは違うが同じ学校に通っている。そんな彼女は、とても落ち着いた性格で、普段から物静かであまり言葉を発さず、表情もいつもずっと真顔を決め込んでいる。


 しかし、ここ最近、俺を見る度、睨みつけてくる。明らかに不機嫌そうなのが穂乃花の表情からも伝わってくる。いつもの無表情はどうしたんだ。なんか怒らせることしたか?嫌われちゃったかな?

 まあ、元からあまり感情を表に出すタイプじゃなかったから、もしかしたら初めから俺のことを嫌っていたのかもしれないが……なんか悲しくなってきた。よくガキの頃から公園の砂場でホテルを造って遊んだり(ラブとは言ってない)、家でもゲームしたり(エロゲではない)、一緒に健全なアニメ観たりしてオタ活を楽しむ仲なのに。


 はっ……まさか俺が穂乃花に対して、性的な目を向けようとしたことに気づかれたからか?それとも、俺の心の中に閉じ込めた彼女に対するに気づかれて、それで距離を置かれようとしてるのか……。

 そう思う度に胸が苦しくなる。


 くそっ、もうこうなったらやけくそだ。そっちがそんな態度を取るのが悪いんだからな。仕返しにアプリの実験台になってもらうくらい別にいいだろう。そして、あわよくば……ゴホンッ、決して巨乳を揉みたいからではない。俺は貧乳専門の貧乳マニアだ。部屋に隠してる同人誌も、貧乳キャラの物しかないし。


「なあ、穂乃花。ちょっと話があるんだけど――」


 こうして、俺は幼馴染である穂乃花を『理想のおっぱい育成!!』という如何にも怪しい催眠アプリの実験台にすることにしたのだ。



 ●○●



「……なに」


「……ちょっとこれ観てくれないか」


 俺はアプリを立ち上げ、ソファーに座る穂乃花にスマホの画面を見せた。


「……」


「掛かったのか?お~い、穂乃花?穂乃花さ~ん」


 見ると、穂乃花の目が赤く光っている。これは間違いなく掛かっちゃてるな。このアプリ本物やないかいッ!


「マジかよ……」


 ゴホンッ。いかんいかん。本物という前提で行動に移したんだから、ここで動揺してしまってはいけない。むしろ、ここからが本番だ。


「ほ、穂乃花……そ、そのぉ~お、おっぱいについてなんか悩みとか抱えてないか……?」


 もうこんなこと訊いてる時点で、セクハラだよ。平素の穂乃花なら、真顔で俺を殺しにきてるところだよ。


「……」


 穂乃花は沈黙して何も言わない。こ、怖い……。


「……あ、な、ないですよねぇ~。素晴らしい巨乳をしてらっしゃいますもんねぇ~」


 俺は穂乃花の沈黙に謎の恐怖を憶えて、ついそんなことを口走ってしまった。すると、彼女は――、


「……なんでしょ」


「ふぇ?」


 穂乃花がごにょごにょ声でいきなり喋り出したから、なんて言ったか聞き取れなかった。


「ごめん。もう一回言ってもらっていいか?」


「君は……ひ、貧乳の方が好きなんでしょ!!」


 穂乃花は少し声を荒げてそう言った。普段の彼女からは想像できない程の声量と中々露わにしてくれない感情を表に出してくれた瞬間だった。


「えっと……」


「だから、私はあなた好みの貧乳になりたいってずっと思ってるの!!」


 穂乃花は涙目を浮かべながら、俺の顔を睨みつけてきた。うん……、これは流石にわかるぞ。だって、俺、鈍感系主人公じゃないからね。つまり彼女は――、


「そ、それって俺のことが好きだから、俺好みのおっぱいになりたいということでよろしいですよね?」


「み、皆まで言わせないで!!」


「す、すみません……」


 マジかぁ~!!こんな可愛い幼馴染巨乳美少女が、貧乳オタクの俺のこと好きだったて!俺、どこのラノベ主人公何んだよ。


 まぁ、つまり後は穂乃花のGカップ(推定)を揉みしごけばいいわけなのだが……。


「ほ、穂乃花。その……信じられない話かもしれないが、俺がお前のおっぱいを揉めば、お前は理想のおっぱいを手に入れることができる」


「や、やって!!今すぐ私のおっぱい揉んでよ!!」


 って、お~い!言ったのは、俺だけどさ!催眠アプリが起動してるからって、今のこの発言は何!?俺、今エロ漫画の世界に入り込んでる?


 ど、どうしよ……。正直、心が追いついていない。告白された後、すぐにおっぱい揉む展開に向かうラブコメ観たことない。いや、催眠アプリ使って誘導してる俺がもちろん悪いんだけどね。


 けど、ここで一つ問題と言うか、心残りにしてることがある。それは――、


「その立派な巨乳が貧乳になっちゃうけど、穂乃花は本当にそれでいいのか?」


 そう。穂乃花の豊かなそれを俺好みの貧しい姿にしてしまうのは、それはそれで罪悪感というか、なんか違うなって気がする。何なんだろ、この気持ち……。


「良いも何も、君はそっちの方が好きなんでしょ!」


「それはそうなんだけどな……」


 やっぱり、俺の好みってだけで穂乃花を貧乳に変えてしまうのは違うと思う。彼女がそれに対してなんかのコンプレックスを抱いてたり、もっと別の重たい理由で貧乳になりたいっていうならそれでも良かったのかもしれないけど。


「俺はそのままの穂乃花が好きだよ」


 気付けばそんなことを口にしていた。


「な、何なの急に……」


「さっきの告白の答えまだだったろ?だから、言ってるんだよ。俺はそのままのお前が、巨乳のお前が好きなんだよ」


「でも、君は貧乳の方が……」


「確かに俺は貧乳の方が好きだ。それも圧倒的にな。仮にお前を貧乳にしても、そりゃあ、めちゃくちゃ愛せるに決まってるよ」


「それなら!!」


「でもな……お前のことを貧乳じゃないと愛せないなんて、誰が言った?」


「……」


「つい今しがた判明したが、俺とお前は相思相愛なわけだ。お前が俺のどこを見て好きになってくれたのかはわからない。けど、俺がお前を好きになったのは、これまでのお前を全部見てきたからだ。そう、全部ひっくるめてそのままの穂乃花が好きってこと。つまり、だからな、俺が好きなのは巨乳のお前だ!!」


「……っ」


 やべぇ、ふと我に返ったら、結構長いことキモいこと喋りまくってた気がする。穂乃花の方を見ると、顔を赤く染めながら、ちらりとこちらを覗いてはもじもじとしていた。


「あの……穂乃花さん……」


 いくら好きな男でも、「巨乳のお前が好きだ!!」発言を繰り返したら、流石に萎えるよな。ここは俺の株を回復させるためにも、何か言わなきゃなきゃ――。


「こんなアプリなんて、やっぱり君には必要なかったんだ……」


 穂乃花は吐き捨てるようにそう呟く。


「穂乃花?」


 いつの間にか、穂乃花の目からは赤い光が消え、いつも通りの彼女に戻っていた。

 そして、全てを話し始めたのだ。


「そのアプリを開発したのは私。勝手に君のスマホにダウンロードしたのも全部私だよ」


 ん?この人今、めちゃくちゃ凄いこと口走ってなかった。


「君に睡眠薬を飲ませて眠らせた後、君のスマホを勝手に触ってアプリを入れちゃったんだ……驚くのも無理はないよね……」


 いや、驚いてるのはそっちじゃねえよ!いや、確かに睡眠薬盛って勝手に人のスマホ触るのは良くないけどさ。それよりも、催眠アプリ開発したってどういうこと?お前の目赤く光ってたし、ガチもんでしたよねこれ?

 なんか、もう怖すぎて何もツッコめない。


「実際に催眠に私が掛かってた間、君が私のおっぱいを揉んでいれば、私は貧乳になってた。でも、君はそうしなかった。巨乳の私が好きって、そのままの私が好きって言ってくれた」


「……」


「私、嬉しかったよ。本当にこの人を好きになって良かった。本当にそう思った。それに、告白も成功して君も私のことを好きって想ってくれたのも知って、その、今も正直、感情が追いついてない……」


「穂乃花……」


「けど、私はそんな君を試しちゃった。私はこんな愛想もなくて、可愛げもなくて、おまけに君の趣味とは正反対の巨乳の持ち主……そんな私のことをそのまま受け入れてくれたのに……」


 穂乃花はシュンとして、とても反省しているのが伝わってくる。でも、それと同時にどんどんヘラり始めてもいる。何か、彼女に言葉を掛けなくては……。


「あ、あのさ……」


「ごめんなさい……。こんな私、やっぱり嫌いになっちゃわない?」


 少しずつ涙声になっていく穂乃花。俺はいったいなんて言ってあげたら良い?


「君を信じていなかったのは私の方なんだよね。おっぱいの好みだけで振られたりしないって本当はわかってたのに……」


 ああ、もうとにかく、俺の気持ちが伝わればそれで良いんだ!!


「好きな人なのに疑ちゃっ――」


「穂乃花、俺にさ、おっぱい揉ませてくれ!!」


 気付けば、俺はまたそんな変態的な発言をしていた。


「は!?ど、どういうこと?この流れで……?」


「もちろん、催眠の掛かってない普通の状態で、お前のそのGカップを揉ませてくれって頼んでるんだよ」


「えっ、えっとぉ……?」


「そのままのお前が好きって言ったろ。俺が今からそれを証明してやるって言ってんだ」


 言葉じゃ足りない。行動に移さないと穂乃花はわかってくれないみたいだからな。もうこの際、セクハラとか考えてる暇なんてない!


 ――もみゅ


「ふぇ!?」


 もっとだ!!


 ――もみゅもみゅ


「にゃ、にゃにしてるの急に、ふぁ!?」


 ――もみゅもみゅもみゅもみゅ


「んっ♡あっ♡はぁはぁ♡」


「お前が俺のこと試したの、別に気にしてないぞ。正直、ちょっとメンヘラぽいけど、そこまで俺のこと好きでいてくれたの、素直に嬉しいよ」


 ――もみゅもみゅもみゅもみゅもみゅもみゅ


「ひゃん♡はぁ♡はぁ♡んん♡」


「穂乃花の巨乳、最高!!メンヘラでも、なんかすげえ危ないアプリ作るお前でも、いつも塩対応でいて本当は俺のこと好きなツンデレなところも、そして、この巨乳も全部好きだあああああああああああ!!!!!!!!」


 こうして、俺と穂乃花は晴れて結ばれることとなったのだ。


 ●○●


 季節は過ぎ去り、あっという間にクリスマス。穂乃花と付き合って十年が経った。俺と穂乃花は同じマンションの一室で同棲している。


「今日もとっても幸せ」


「そうだな」


 ニコニコと天使の微笑みを向けてくれる穂乃花。今では、高校時代のツンも完全なデレへと変わっていた。


 大人になってロングヘアーになった彼女は、艶がかった綺麗な黒髪をハーフアップくるりんぱにしている。化粧もばっちし彼女に似合っており、アイラインの線、薄い桃色のリップが塗られたぷるっとした唇、学生時代から変わらぬ整った鼻筋も、紫紺の瞳も、どこをとっても彼女の一つ一つが愛おしい。


 因みに、今日も穂乃花のGカップは揺れている。ムラムラする。ついさっきまで、イルミネーションを見に街でデートもしてたものだから、服装も気合いが入ったままでとてもエロい。

 ふわふわもこもこした生地でできたくすみピンクショートカーディガンと白ハイネックとレイヤードを組み合わせた上とツイードミニスカートを組み合わせたクリスマスにピッタリのコーデ。甘さと華やかさ、上品さと清潔感も感じられる。似合いまくってる。


「また、貧乳系の同人誌かったの?」


「ああ、これは自分へのプレゼントだ。穂乃花のはこっち」


 俺はガサゴソと鞄を漁って、貧乳ものの同人誌を出した後、プレゼント仕様で綺麗に包まれた箱を穂乃花に手渡した。中にはネックレスが入ってる。


「欲しかったやつだ。本当にありがとう」


「どういたしまして」


「「あ」」


 プレゼントを穂乃花に渡したとき、銀色の指輪を薬指に付けた左手が不意にぶつかった。


「ふふっ」「ははっ」


 俺たちはお互いに顔を見て微笑み合った。


 俺は相変わらず貧乳マニアだ。でも、この世で一番好きなのは――、


「メリークリスマス。そして、三年目もよろしくなよ」


「うん。こちらこそよろしくだよ。……今日も揉んでくれる?」


「ああ、もちろん」


 世界で一番愛している妻の巨乳だ。


「でも、それだけじゃ足りないよ?そろそろいいかなって昨日も話したでしょ」


「そ、そうだな……お、俺もそのぉ~穂乃花との子ども欲しいです……」


 二人の物語は永久に続いていったとさ――。【終】

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