1章

第1話


 色々な居酒屋を回ってきたのに、どこにもお気に入りの女の子が居なかった。たまたま入った、あの居酒屋の女の子が恋しくなった。『出目金屋』という居酒屋の店名だっけ?

 今日から1週間、仕事を頑張れば…あの可愛い結李菜ちゃんに会える。…よしっ!頑張ろう!!と気合を入れた。


 まぁ、この年齢でも爽やかな僕だからモテるか?と言われたら、まぁ…。


 『あの〜…夏くんって…あっ!!宮本さんって彼女、居ないんですか??』と照れたように笑う彼女は齋藤杏那さいとうあんなだ。まぁ可愛いと言えば可愛い。目が大きいし、よく笑う彼女だ。しかも24歳と…まぁ若い。俺とは9つも違う。だが僕は好きになれない。申し訳ないが…。


『あぁ、俺?彼女いないよ?つか結婚する気すら無いんで!!』と少し恋愛に興味ない感じで返した。



 だって、もう俺は…あの子に恋してる。あの居酒屋『出目金屋』の結李菜ちゃんに。



 『あっ…そうなんですね!宮本さんに彼女いなかったら候補しよ〜思ってたんですが…残念です。』と少し落ち込んだ声だった。

 僕も悪かったかな…あの言い方は。でも今は結婚したい気持ちすら1ミリも無い。僕に恋してくれてる女性よ…ごめん。


『スイマセン。ほんと興味ないんで。』と突き放した言い方でしか出来ない僕は、ほんと情けない。

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夏と群青 小鳥遊 媛海(たかなし ひめか) @XYZ_20forever12

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