七変化ギャル彼女はひたすらにエロすぎる

田中又雄

第1話 ギャル清楚彼女

「...うおー、イケメン〜」


 俺の彼女はいわゆるギャルである。

彼女の気まぐれか何かは分からないが、ある日突然告白されて付き合うようになって1ヶ月...。


 休みの日はこうして2人で遊ぶことが多くなっていた。


 そして、現在も俺の部屋のベッドで、足をパタパタさせながら携帯を見て何か呟いていた。


 ちなみに、まだキスもしていない。

手を繋いだのが一回でそういう行為には及んでいないのだが...。


 彼女の方から色々誘われていたが、なんだか一度してしまったら何度も求めてしまいそうで、そうしたら嫌われるのじゃないかと思って、結局手を出せずに居た。


「見て〜?イケメンじゃない〜?」


 写っていたのはSNSに上げられたイケメンの写真だった。


「...うん。イケメンだね」

「あーあー、イケメンいいよねー」


 イケメンじゃなくてごめんね。

そう心で呟きながら、SNSで推しのキャラを調べる。


 俺が最近推してるのは、金森ゆずはというアニメキャラである。

清楚で優しくて可愛くて天然な女の子である。


 あー癒しだー...と、眺めていると、彼女に携帯を盗まれる。


「あっ、ちょっと...」

「こういう女がいいの?はー、分かってないねー、陸は。こういう女は男なんて知りませんみたいな顔して、裏ではメチャクチャしてるっていうのが常識なわけよ」

「...いや、二次元だからそんな裏設定ないと思うけど」


 そんな風に反論すると、俺をじろっと睨む。


「この子、うちのクラスの冴島に似てない?なに?私より冴島の方がいいってこと?ムカつくんだけど」と、迫られる。


「い、いや!そ、そんなことはないけど...」と、目を逸らすがそんな逃げ方を彼女が見逃してくれるはずもない。


「分かった。分かりました。はいはい、私も黒髪清楚ぐらいなれるから。ちょっと待ってなよ」と、カバンを持って家を飛び出すのだった。


 それから約2時間ほどで彼女が帰ってきた。


 しかし、それは普段の金髪彼女ではなく、黒髪清楚な美しい女の子だった。


「...ほら、なれたでしょ?はい、てことで理想の見た目になったからイチャイチャすんぞー」

「ちょっ!?//」


 そのまま、抱きついて俺の匂いをくんかくんかしてくる。


「さっき、ちょっと嫉妬してたでしょ。私がイケメンばっか見てたから」

「え?...う、うん...俺...イケメンじゃないし...なんで告白されたのかも、花梨が...俺のどこを好きなのかも分からないから...」

「馬鹿?本当、馬鹿?全部好きだから付き合ってるに決まってんじゃん。自信がなさそうなところも、平凡な顔も、バレないと思ってこっそり私のことをエロい目で見てることも...」


 そのまま、ベッドまで移動して、ちょこんと座りそのまま、上目遣いで「全部好きだから告白したに決まってんじゃん」というその顔は可愛くて堪らなかった。

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