クラス中の視線を僕たちに

それから時は流れ、僕は高校生になった


中卒で働こうかとも言ったのだが親になぜかこの高校に行けと言われ高校に入学することになった




そして僕は自身の教室の席を確認して座るとバッグから本を取り出し読み始める


正直、読むために持ってきたのではなく話しかけられないようにするために持ってきたため、内容はよく見ていない


このまま教師がくるまで時間を潰そう。そう考えていた僕の思いは砕け散った


「ねえ、茅くん」

声をかけられた。それもご丁寧に下の名前まで付けて


声をかけてきた人の方を向くと、僕は驚いて読んでいた本を落としてしまう


彼女は白髪だった




この高校は髪染めは校則で禁止されているはずなのになぜ?


そんなことを考えている僕の心を読んだのか彼女は


「ああ、この髪色はちょっとね...」と少し暗い顔をしながら言った



まあ何かあったのだろう、そう思い僕は声をかけてきた理由を聞いた

「何か?」


そう言うと彼女は「いやぁ~隣の席だから挨拶しておこうと思って」と言って僕の隣に座り彼女は頬杖を突きながら本、拾わなくていいの?と言ってくる


その言葉に返事をせず僕は落とした本を拾い、適当なページを開いて読み始める




読み始めて数分、僕は集中できなかった


理由はそう、隣の彼女だ

彼女は頬杖を突きながら僕の方をじっと見つめてきている



流石に見られ続けたせいで恥ずかしくなってきたので僕は彼女に話しかける

「何か?」


そういうと彼女はいやあ?なんでもぉ?とからかうように言ってくる


「それじゃあこっち見ないでくれ」そう言うと彼女は席を立って僕に近づいてきて


「いや、ごめんって!冗談じゃん!」


そう言って彼女は僕の体を前後に揺らす


ちょ、さすがにまずい

そう思い彼女にやめさせようとした瞬間


「えっ?」


「あっ」







「...........ッ!?」


椅子に座っていた僕は押し倒されて彼女は僕の胸元に頭をのせていた


「あぁもう!早くどいてくれ!」

そう言って彼女をどかした瞬間、僕は気づいた





クラス中の視線が僕たちに集まっていることに......

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空も見えない僕たちは 極彩色 @ruisyousetu

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