旅を愛する少年・ソーカは、伝説の旅人ベルキュートの弟子として世界を巡るも、師の死後、孤島アストラルで暮らしていました。しかし、師の遺した家が放火され、思い出や記録を失ったことを機に、彼は再び旅立ちます。ベルキュートの足跡を辿りながら、「サクラギの病」の謎を追う旅が始まるのでした。
ソーカは冷静で知的な少年でありながら、師の影を追い求める姿に葛藤が見えます。ベルキュートは伝説の旅人であり、彼の遺したものが物語の核となります。旅の途中で出会うアルガスやミラクサなどの仲間も個性豊かで、ソーカの成長を支えていきます。
物語はソーカの視点で描かれ、旅の情景や魔法の描写が細やかです。師との回想が巧みに織り込まれ、過去と現在が交錯することで物語に深みを与えています。
まとめ
本作は過去を追いながらも新たな未来を切り開く物語です。ソーカが師の遺した真実を求め、成長していく姿が印象的で、読後に余韻を残す作品でした。
一言でいえば、「優しい世界」。
人々が温かく、よく生き、そして良き生涯を送るという雰囲気が、作中全体に満ち溢れているのを感じます。
師匠はその人生を旅に生きたようですが、おそらく良き旅・良き人生を送れたのだろうと思います。
願わくばわが弟子にも、ふと振り返った時に「良いものであった」と思えるような旅を。
そうささやくような師匠の声が感じ取れるような気さえします。
一方で旅立ちの際に少しキナ臭い出来事もあり、この世界にもまたよからぬものがあるというのを感じさせます。
こちらの謎を追っていくのもまた一つのアクセントですね。
弟子は、「師匠の旅」を、旅を通じてどう感じるのでしょうか。
どことなく寂しくもありますが、穏やかに読むことができる作品です。
旅人ベルキュートの【untitled journey】から始まる1人の少年の冒険。自分はこのような冒険ものを読むのは初心者に近いのですが、とても読みやすくて、ストーリーの内容も引き込まれます。
何故【untitled journey】なのか、師匠のことは何故分からないことばかりなのか、何故あのような事件が起きたのか。
冒頭からえっ? となる展開。その中でも少年がこれまでの生活で考えてきたことや思いが丁寧に綴られています。町の様子もこちらまで伝わってきてキャラクターも魅力的。一緒に少年を応援したいです。
また魔法系の言葉も出てきますが、そのあたりもわかりやすく説明されているので、スッと読み進めることができます。
まだ途中までしか読めていないのですが、このような作品に出会えて嬉しいです。続きも楽しみながら読んでいきたいです。