第38話殺傷

「あっぶない!毒液吐いて来てる!」


ギルデちゃんが毒をジャンプで避けながら、大声で報告する


「・・・」


バキィン!!


「鱗硬い!」


完全な不意打ちで攻撃したつもりだったが、すっごい弾かれた




「初期武器じゃあもうダメなのかな?」


「え!?」「は!?」


ギルデちゃんとアルゴちゃんが驚きの声をあげる


「あなた初期武器で戦ってたんですか!?」


「あの時買った武器で戦ってたんです!?」


両者共におかしいだろっという表情を向けてくる




流石におかしいか。やっぱ武器の買い替えって大事なんだな


「隙見て武器あげるんで!それで戦って下さい!!」


「変な武器種渡さないでよ。鉈以外使ったこと無いんだから」


デカ蛇が動く。デカ蛇の厄介な所は動いてる音が非常に小さいことだ


蛇特有の這いずり移動な為、音が本当に小さい


あの巨体で音ないのは不自然だろ




「毒液と突進だけしかやってこないのが助かりますね。暗闇で戦うのにも慣れてきました」


「シャーー!」


蛇が毒液を吐き出す。暗くてあまり分からないが、とてつもない匂いがするので


場所が結構分かる




「匂いが強い毒か、、、当たったら地獄だな」


鉈を右手、左手へとパシパシっと音を立てながら投げ渡し続ける


「なたちゃん!!」


ギルデちゃんが私を呼ぶ


「武器が来たな」


鉈をアイテムボックスに収納し、どこからか飛んでくる武器に意識を集中させる




「どうぞ!」


「・・・」


「シャアーー!!」


同時に蛇が襲い掛かってくる




面倒だな!武器どこ!?見えない!


地面をしゃがみながら探す。急がないと蛇に突撃される


「なたちゃん!右です!」


右から声がした


その瞬間に右手を上へと伸ばした所で


何かが右手にフィットした




「跳躍」


右脚に力を込めながら【跳躍】する


「殺人鬼の本能」


蛇が赤くハイライトされる


「殺人、私は天に祈らん」


【殺人】でステータスを2倍にし、【天に祈らん】を発動する


そして武器を蛇に向かって振り下ろした




殺傷が発動しました


頭の中で機械的な音が響く


「討伐完了」


蛇が光となり消えていく




「・・・」「・・・えぇ、、、」


驚いているギルデちゃんとアルゴちゃんに向かって


指を2本立て、ピースをする


「あの武器なんですか?」


「鉈です。特に特殊能力の無い」


右手を見ると初期武器と似た鉈だ


切れ味はこっちの方が上そうだが




「殺傷が発動したからね!!」


「殺傷?」


「・・・ア!あの特性ですか!?」


「??」


殺傷って珍しいのか?




「殺人の二つ名持ちしか使えない即死属性!」


「・・・そうなの?」


アルゴちゃんがこちらを見てくる。私も知らないんだよな


効果説明読んだだけだから


「そうだよ」


とりあえず便乗だけしておこう




「え、てことは」


ギルデちゃんがグングン私の方に足を進めてくる


「なたちゃんは殺人鬼ってことですか?」


腕を強めに掴まれる


目が怖い




「2つ名がね!私は純情の潔白で純粋だよ!!」


「一旦離れよう。目が怖いよギルデ」


アルゴちゃんがギルデちゃんを引き離さす


友情に亀裂が走ったかも知れない

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最弱な種族で行く!最果てへと! kuro1231 @kurosiro1231

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