【俺の話】を聞け~5行だけでもいい~

いざ行かん性癖の大海原へ

　17~22歳の私はダメンズに引っかかるのか製造しているのか分からないがそんな人とばかり付き合ってきた。

付き合ってセックスしたら音信不通。

セックスに応えないと不機嫌になる、デートに連れてってもらえない。

私に性病をうつされた！と杞憂するやつetc…

お金を渡したこともある。

ただの馬鹿である。

さすがに20代半ばにもなると、このままでは恥ずかしいのでは？ダメなのでは？と正気に戻り、仕事を辞めたり塩対応男と付き合い始めたり、自己改革を行なった。

結果的に仕事も彼氏も上手くいかなかったが、新しい自分になれた気がして、清々しい気分だった。

　次の仕事がないな。と思った私は、肌色の多い写真で食っていこうと、エロで食っていこうと、そう決心したのだった。

だがしかし！上手くいかないのである！

サイトに登録しTwitterに登録したはいいものの、運営はヘタだし何より全然エロくない！どうしたものかとTwitterのエッチなおねいさん達のアカウントを見て回る。

その時目についた性癖でマッチできるサービスA。ニートで暇だし人と関わりたいと思い始めていた頃だった。

高額請求されませんように〜！と祈りながら、URLとをタップする。

画面が切り替わると会員登録orログインの文字にひとまずホッとする。

名前やメアドを入力、身分証明書を写真に撮り提出、Twitterなどの SNSを連携させたりするまでは、通常のマッチングアプリ。

違うのは自分の好きなセックスのスタイルを入力するところだ。

イチャイチャがすき、キスが好きなどなどなど。

これが見えることによって、相手との相性がわかりやすくなるんだなあ〜。

こういった類のものは女性が入れ食い状態になるものだが、このサイトは性癖の合う合わないによって、マッチングできる範囲が変わるので、そんなことが起きないのか！と反応0件の画面を見て感心した。私が微妙というわけではない事を信じながら。

信じてはいたものの数日のうちに辞めた。

そして、すでに目をつけていたサイトBへの登録を試みる。

なんとこちらはSMプレイを好む人が利用するもの。

私はM(仮)なのである。

幼い頃からアニメのヒロインが動けなくされる、痛みに喘ぐ姿を見て妙にドキドキしていた。1人遊びを覚えてからはいつも磔にされている女の子を想像していた。そういったシチュエーションに憧れていたのである。

サイトBは加虐、被虐、従属、支配などのあたりか、セックスはありか(おそらく挿入行為)、苦痛はいるのか、羞恥はいるのか等をNG〜絶対必要を設定できるようになっていた。

『やっぱり挿入がなくても成り立つよなあ』と勝手に納得しつつ、設定する。

そしてトントンと話が進み、なんだかんだありサイトBで知り合った人と入籍した。

夫と出会うまでにエロい写真や動画で食べていくと言う目標はなくなっていた。エロも才能だ。

　SMと一言にいっても複雑で奥が深いものである。まさに十人十色。

主従関係を結び、結婚を目指してる人、多頭飼い(Sが Mを複数飼うこと)してる人スイッチャー、ぐりぐら、マミー、スパンキング、首締め、蝋燭…。

想像してたより多くのフェティッシュバー、SMバーが存在して、いかに安全に楽しくプレイができるか医学的にみて、講習会が行われていたりする。確かに一度アナルに興味を持ち調べてみたら、どこぞのサイトにアナルの中とプラグがひっついて取れなくなる可能性があるからローションをこまめに塗りましょう。とか書いてたの見て、戦慄したことがある。

SMショー、緊縛ショーはとても感動すると言う。

私はまだ行ったことないけれど、いつか行ってショーについて書いてみたいなと思う。

ショーだけじゃなく、様々な関係のSMプレイについてインタビュー的な事をして、ほぼノンフィクションの小説なんかもかけたらいいなって思う。私の書いた小説で濡れたり勃起したりすればいいと思う。

　これを読んでSM興味を持ってくれた人もいると思う。大変私の思惑通りだ。ありがとう。

伝えておかないといけない事がある。

どこの界隈もそうだとは思うが、この界隈に集う人は本気なのだ。自分自身の欲求に葛藤し向き合い、探究することに情熱を注いでいる人も少なくない。

唯一肩の荷を下ろせる場所、心の拠り所にしている、自分自身を解放できる安全地帯にしている人もいる。

だから簡単にヤれそう、お触りしたい、乱暴だったらいいんだろ？とかMにだったら何してもいいとか、Sだったら横暴に振る舞っていいとか、そんなことは思わないでほしい。

相手は人間。リスペクトが大前提。

もちろん人の性癖をバカにしたりしてもいけないよ。

　さて、私は先程M(仮)と書いた。

なぜならまだ色々試してないから分からないのだ。もしかしたらMだと思ってたけどSまたはその逆もありあるし。食わず嫌いもある。

行きつけのラーメン屋で違うラーメンも食べてみようかと思うけれど、あんまりだったら嫌だしなあ。みたいな感じで手を出さないものもある。ただ、自分の性癖か不明瞭であろうと、この耽美な世界とそこにいる人間たちに心奪われ、虜になっているのは確かだ。

この話にオチはない。まだ人生途中だし。

私のSMなどに対する興味感心もまだ尽きていない。果てが見えない。おもしろい。

　ここまで一般人の長い長い独り言に付き合ってくれた変態諸君。改めて礼を言おう。

私たちはいつでも君がこちらに来るのを待っているよ。