詐欺師チートだけどチヤホヤされたい! ~謎の実力者として、国でもトップレベルの美人・美少女パーティに探されてますが、曰く付きジョブのせいで正体を明かせないんですが~
灰灰灰(カイケ・ハイ)※旧ザキ、ユウ
第1話 とにかくチヤホヤされてぇ
ヒーローになりたかった。
ごめん嘘、見栄張った。
正直言葉の響きはいいがヒーローなんて御免被る。だってヒーローなんてものは病的までの自己犠牲精神の上にしか成り立たない存在だ。アレでしょうアレ。自分が死んでも世界を救う的な。もしくは世界を救ったはいいが何故かNTRされている感じ。
俺には無理無理。ていうか若干引く。
とにもかくにもなんかチヤホヤされたかった。俺はこの上なくチヤホヤされたかったのだ。
◆
とある陽気な空気に包まれた昼下がりのダンジョン
「あの全身黒ずくめの男は一体全体何者なのっ!? 漆黒色のローブで全身をスッポリと覆った男なんだけどっ」
「いやぁ、そんなこと言われましても困ります……」
全身ボロボロで可及的速やかに病院へぶち込まれるべき、黄金色の髪を持つ女性がギルド受付嬢へと鬼気迫る勢いで迫った。
対して勢いが強すぎる彼女の圧のせいか、受付嬢の手は若干ながら震えているまである。
「あの……だから先程から言っているように、該当の人物は当ギルドに存在していません」
「そんな訳ないよっ! あんなに強いんだよ!? このリタ・ヴァルプギスが妄想全開の頭ゆるふわ美少女とで言いたいってこと!?」
リタと名乗った美少女は激昂するように机を叩いた。
「ヒッ……!?」
ていうか若干図々しいなおい。
それはさておき対応した受付嬢が比較的クールな部類だったからこの程度の反応で済んだのだろう。これがその隣にいる新人の子であれば泣いていた。ていうか直接対応していないのに泣いている件について。こわい。
「あ、ごめんごめん。お、脅かすつもりはなかったんだよ? ほ、本当だよ!?」
リタはようやく自分がやらかしたことを感じたのか、慌てて言い訳しはじめた。
まぁ今更何を言ったところで後の祭りなんだけどね。
「おいリタ。その辺にしとけよ」
止めに入ったのは荒々しいような印象を受ける大柄の女だ。褐色の肌に月の光のような銀長髪。最低限に大事な部分だけが隠された煽情的な鎧に飽満かつ洗練された体躯。
完成された野生の魅力とでも言うべきか。とにかくなんか色々と凄かった。
「お前、一般人からしたら人間核弾頭みてーなもんなんだからよ。自重しろ自重」
「そんなことありませんが!? てか人間核弾頭!? 花も恥じらう美少女乙女にひどくないっ!?」
さっきから思っていたがこの子ほんとに図々しいな。
そしてここまで騒げば周りも注目し始めるってもんだ。必然的にギルド内も酒場内も話題の中心は彼女らに移行してしまった。
「おいおい……ありゃここいらで最強とも名高い
「知らねぇのか? 何でも黒滅龍、しかも亜種が突然ダンジョンに出現して『剣聖』も『万能聖女』も病院送りだとよ」
「黒滅龍!? しかも亜種ってまじかよっ!?」
「おいこら、おもむろに荷物纏めて逃亡しようとすんな。安心しろ、もう既に謎の漆黒男とやらに討伐されたらしいぜ」
「おいおいマジかよ。それが本当なら下手したら国家規模の話になるじゃねーか!!」
盛り上がる酒場の面々。
そんな状況をギルドに併設された酒場の片隅でこっそりと眺める男が一人。ていうか俺だった。
「いやさぁ、確かに目立ちたかったしチヤホヤもされたかったよ? でもさ偶々助けた子達が国内でも指折りの実力者で? 話が国規模になるとかさ? そんな天文学的確率の偶然起きるとは思わないじゃん!!」
ていうか。ていうかさぁ――
ここ! までは!
望んでねえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!
◆
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