第2話 恋人ってことですか……?

「あとは、他の皆と違って……普通に接してくれてる所……です」


「普通?」


「は、はい……」


「別に他の人と同じような気がするんだけど」


「ぜ全然違いますよ……」


「具体的に何が?」


「今だって、普通の人なら嫌悪してる目で見てきたり、話をすぐ終わらせようとしてきたりすすするんですけど、伊那さんはそうじゃないから……」


 少し俯きながら、指をもじもじさせる花園さん。

 流石に考えすぎじゃないか?


 見てるかぎりじゃそんなハブかれてるみたいな扱いはされてないぞ?

 クラスでグループを作るときだって、最後まで残るはものの、コミュ力が高いグループ何組かに声掛けられてるし、あまりないが誰かと会話する時だって陽気に話掛けられている。


 どっちかというと、周りが気を遣っている感じ。

 花園さんは普段一人だし、根暗だからそう感じてるだけかもしれないな。


「俺は周りと大層変わりはないと思うけど、まぁ、ありがとな」


 優しいと思われている分には嬉しい。

 なにせ女子に優しいなんて言われた事ないからな。


「い、いえ………でも流石に私と付き合うなんて、無理ですよね……失礼しました」


 と、花園さんは消しゴムを握りしめながら机の方に向こうとする。


「諦めるのはまだ早いんじゃないのか?」


 しかし、肩を持ってそれを止める。

 後ろめたくなる気持ちも分からなくない。

 俺と花園さんは違う人種だし、価値観も全く違うだろう。


 もし付き合ったら周りからなんて言われるかも大体は想像できる。

 だが、そんなのは関係ない。


 告った理由はどうであれ、花園さんが勇気を出して告白してくれた。普段人と関わってない人がだぞ? それってめちゃくちゃ凄いことだ。

 それを踏み捻じる事は出来ない。


 それに、俺も花園さんはいいとは思ってる。

 話しにくいようで実は全然話せるし、謙虚なところがまたいい。

 加えて可愛いしな。


「そ、それって………OKってこと……です……か?」


 オドオドしながらも聞いてくる花園さん。


「単刀直入に言えばそうだな」


「え、でも……私根暗ぼっち陰キャですし、すぐネガティ発言しますし人見知りですし時々変な行動とか言動になりますし」


「自分から告ったんなら自信持ちなって、そうゆう所も花園さんらしいくて俺はいいと思うけど」


「……伊那さんが私なんかでいいって言うなら……よよよろしくお願いします……

 」

 深々と頭を下げる花園さん。


「こちらこそよろしくお願いします」


 釣られて俺も頭を下げる。


「これで、私たちは……恋人ってことですか……?」


 手をもじもじとさせながら上目遣いでこちらを見てくる。


「お、おう…………そうゆうことになるな」


 その上目遣いに、俺は目を少し背ける。

 なんだこの可愛さは。普段から見せないからか、ギャップが凄い。

 こう、胸に突き刺さってくる可愛さだ。


 しかもこの可愛さ、花園翆の可愛い所を知っているのは俺だけ。

 なんか独占してる感じがして背徳感。

 悪い事をしているみたいだ。


 この優越感……最高だ。


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落とした消しゴムを拾ってあげたら、何故か根暗ぼっち美少女に告られた。 もんすたー @monsteramuamu

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