佐藤転生

第1話

　私は佐藤沙樹。

　何の変哲もない女子高生。

　世に女子高生といえば華やかで賑やかな、そんなイメージがあるかもしれないけれど、私は華麗なる高校生活とは全く無縁で生きてきた。

　そしてまたまったく面白くも無い授業を終えて、昨日とまったく同じ道を通り、何の笑いも無い家へ帰っていく。

　ああつまら……ん？

　え？

　トラック？

　大型トラックが明らかに信号無視し、ガードレールを薙ぎ倒しながら、こちらへ向かってくる。

　何で？

　当然逃げる。

　こう見えても逃げ足には自信があった。

　グオオンバキバキバキ。

　追ってきた？

　明らかに私を狙っている。

　どういうことか。

　そんな事を考えている場合か。

　死ぬんだぞ。

　しかも超痛いぞ。

　流石にそれは嫌

　ドーーーーーーーン

　……奇跡的にも綺麗に死ねた。

　自分では分からないが、笑顔を浮かべていたらしい。

　異常な事態にもう笑うしか無かったのか、ようやく普通から逸脱出来たことに思わず微笑んでしまったのか……分からないけれど。