コンクリートフラワーズ
あおやま。
第1話 コンクリートダイヴ!
あの枯れたススキが、青々と生い茂るのを見ることはない。
何気なくくる朝も、眠気と共に過ぎ去る暗闇も、つまりは日常と言うやつは安定した日々の中に存在する。
どうにも堅苦しい文章を書こうと努力してもうまくいかない。
結局のところ僕は凡才だったのかもしれない。
ここで凡才だったと断定できないあたりに自分の弱さを感じるわけで、かといって断定できるほど自分を卑下するに足りる経歴はない。
少しばかりの希望が見えた時に、過去がより一層黒く見え、過去が黒いと言うことは未来もそうであろうと帰納する。
使い古した腕時計は自分が日常の中で痩せも太りもしなかったことを伝えてくる。
心の変化を捉えるのなんて結局のところ無理なんだ。
僕に他人の心を読むことを強制したあいつも、僕の今の心なんてわかりはしないのだから。
屋上から見える街並みはいつもよりチビで、僕は優越感に浸った。
とんでもない憂鬱が街を覆って体を縮こめているのだろうか。
それとも僕がとんでもない威勢でこの街を縮こめているのだろうか。
遮るもののない建物に風が吹く。
風のあたりはいつも強い。
同情されるよりはマシだけど。
コンクリートダイヴ!
重力は僕の想像を超えて僕を愛した。
風は最後まで僕を嫌った。
冬の太陽はいつも無関心だった。
僕に抑圧されたコンクリートは力一杯僕に復讐した。
次の更新予定
2024年11月29日 18:00
コンクリートフラワーズ あおやま。 @aoyama_st
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