第22話 宇宙(そら)から見えるパワースポット E
カミーネたちは、(けいごは登山には向いていなかったので下山)
大岩山の山頂、
そこには光の柱が立ったと言い伝えられる石や大岩が重なり合いスフィンクスと呼ばれる石があった。
それらには特に念入りにカミーネが手を合わせていた。
山頂からの景色がまた素晴らしく、りつやななみはそちらへと気をやっていると、
カミーネは1人、木々に隠れるように鎮座する三角に突き出た岩を見つけ、何かを感じ、それに手をかざす。
その瞬間、スッとカミーネの視界は暗転し、映像のようなものが映し出された。
りつとななみが景色を見ていると、何処かに雷が落ちたかの様な明滅感があった。
驚いて周囲を見回すと、カミーネの不在に気が付き、更に、広範囲を見渡す。
すると、木の陰に光が立ち上がっている場所を見つけた。
2人は急いでその場所に駆け付けると、立ったまま目を閉じ礼をして手を合わせ、
光にの柱に包まれているカミーネがいた。
「カミーネ!」
りっちゃんが声を上げる。
すると、カミーネを包む光が少しづつ弱くなり、消えていった。
りっちゃんとななみはカミーネに駆け寄って、カミーネの状態を確かめようと声を掛ける。
「カミーネ・・・カミーネ」
「ねえ、あなた、大丈夫?」
りっちゃんが肩を掴み、ななみが軽く頬を叩く。
「ん・・・ふぁぁ・・・え!」
カミーネは寝起きのようにあくびと伸びをして、2人を見て驚く。
「あれ、わたし、寝てた?」
「カミーネ・・・大丈夫なの?」
「貴女から光の柱が立ってたわよ」
りっちゃんが心配そうに聞き、ななみが冷静に状況を教えてくれる。
「そうなの・・・?何か夢を見ていた・・・
ってかDVDを見せられていた感じかな?睡眠学習てきな・・・?」
「どんな内容だったの?」
「イザナギの左目から天照大御神が産まれて・・・ツクヨミとスサノオって弟がいて・・・天岩戸に閉じこもって・・・」
「神話じゃない・・・・」
「そうなんだ~今度、日本書紀でも読んでみなきゃ」
結局、本人は白昼夢でも見てた感じだが、
光の柱を見たりっちゃんとななみは簡単にスルー出来なかったが、
その後のカミーネには神話の知識以外、なんの変化もなかった。
その時はそう思っていた。
衛星軌道上のサテライトから緊急入電。
「ワレ、ヒノモトニ、ヒカリノハシラヲカクニン」
それは、数か国の有人衛星から肉眼でのみ確認され、
観測衛星などからは捉えることのできない光のようだった。
『日ノ本の新兵器、レールガンの残照だ!』
『いや、あれはミサイル迎撃用、高エネルギーレーザーだ!』
『地上から衛星軌道に攻撃できる新兵器かもしれん・・・』
軍関係者からは様々な憶測が飛び交ったが、
証拠写真もなく、目撃証言のみだった為、
軍事機密上、この情報が表立って伝えられることはなかったが、
周辺諸国にとって日ノ本の科学力、軍事力の脅威度が増したことは言うまでもない。
「ねぇ、カミーネ、ほんとに何ともないの?」
「うん、強いて言えば・・・
神話がけっこう面白かったから、映画一本観たくらい癒されたかな~」
その後、USAを中心とする周辺諸国から謎に数多の外国人観光客が大岩神社に参拝するが、
その理由は今も明らかになっていない。
宇宙(そら)から見えるパワースポット END
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