魔物たちの航海

稲荷 和風

第1話

「船がきたぞおおおお‼︎」

笛の音と共に叫び声が響く、人々は止まった船のエンブレムを見て、野次馬が溢れた

「ゴツい船だ、しかも傷も…」


「あのエンブレム…まさか、伝説のっ!?」


「間違いない!伝説の船だッ!!」


皆が驚くのも無理はない、その船は伝説の海賊船だった。


皆、誰が乗っているのか、誰が勝ったか気になり、盛り上がっている様子だ。


私が船の先頭から顔を出すと、皆口々にこう囁いた

「ジャルヴォック」と…


私はこの海賊船の船長、キャプテン・ジャルヴォック。世界中を旅し、いつしか名を轟かせたモノだ。


フェネックのような長い狐耳に、そこらの宝石よりも綺麗な角、そして何より特徴的な和装の海賊服。


私自ら港に下りれば街の野次馬どもは尻尾を巻いて逃げたり、はたまた挑んできたり、いろいろいる。


とはいえ私もモブに構っている暇はない。必要なものを揃え、出航の準備が出来次第街をさり、お宝を求めて旅をする。


港をでた後はひたすら航海をする。大富豪の船や、海上護衛隊の船、情報を持っていそうな奴ら、喧嘩を売った奴らは皆沈めてきた。


「ねぇ!あんたら有名な海賊なんでしょ!?」

また今日も一つ、イキった海賊に喧嘩を売られる。


「イキリ海賊が何かようかな?」

私はテキトーに返した。


「いい船じゃない、その船、いただくわ、」


どうやら航海に出たばかりの海賊らしい、普通海賊なら船の大きさや海賊旗で喧嘩を売る相手を選ぶ者だ。


「あんたらは礼儀というものを知らないらしいな。普通海賊なら自分よりでかい船には喧嘩は売らんものだよ、」


私も雑魚相手に貴重な銃弾は使いたくない。話し合いや威嚇で済むなら極力そうしている、下手に銃弾を使い、いざという時なくなると困るからな。


だがこの雑魚はどうしても私の船が欲しいのか、引き下がりはしなかった。


「私らは普通の常識をぶち破るのがポリシーなの。」


そう言い、容赦なくピストルをデタラメに撃つ相手の船長。乗員に被害はないが、大事な船を傷つけた報いは受けてもらう。


ピストルを小さな海賊船の船長目掛け引き金を抜いた。


突然の事に相手は混乱した様子だ。まさか今まで喧嘩を売っても反撃されずにいたのだろうか、

数発打っただけで、相手の船は穴が空き沈んでしまった。


港街に一つはありそうな古いボートを海賊船に改造した者であったのか荒波にも飲み込まれてしまいそうな作りであった。


船の暮らし、特に海賊となれば困り事も多い。


食べ物は日持ちのする者や塩漬けなど限られたものばかり、飲み物も発酵酒ぐらいしか日持ちするものはない。水も持って数日で腐ってしまう。


特に肉は、塩漬けや干し肉が基本で塩漬けなど調理してもとても食えたものではなかった。

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