第13話

「じゃあ、私は行って来る。また数日帰らないと思うが、生活費は足りてるね?」


鞄を手にした父が、リビングのドア付近で立ち止まり声をかけて来た。


昨日あった男のことに気を取られていたわたしははっと我に返り、父に向けてゆっくりと頷いた。


わたしの所作を確認すると、父はいつもの無表情のまま音もなくリビングを出て行った。

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JとQ ユニモン @unimon

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