第4話

「アーカードさん、今何と仰いました?」


「あっ、すみません! 伝える言葉を間違えましたね! こほん。ではリテイクして 尊様! 


「は!? いやいやいや! もっとおかしくなったぞ!? 初対面の奴相手にその言葉は無いわ!」


俺が慌ててそう答えると、アーカードさんは  " ? " みたいな表情をした後、コテンと小首を傾げる。  いかにも " 何を言っているんだろうこの人は? " みたいな顔をしている。 俺がおかしいのか!? いや、違うだろう!?


「何を言われてるんです? 初対面じゃありませんよ私達。本日で2回目ですよ?」


「それでもおかしいわ!! 馬鹿なのかな!? いや間違いなく馬鹿なんだろう!?」


アーカードさんに向かって力強くそう言うと、アーカードさんは頬をプクッと膨らませ(滅茶苦茶可愛い。この世の物とは思えない程の可愛さだ)


「心外です! 私、こう見えても大学では上位の方に居るんですよ! 決して馬鹿なんかじゃないんですよ!」


と反論してきた。


「よ~し! じゃあ証拠を見せてみろよ!」


「分かりました! じゃあ証拠をお見せします!」


「どうやって証拠を見せるつもりなんだ? 成績表なんて今持ってないだろ?」


「確かに……う~ん…困りましたね…どうやって尊様に私が馬鹿なんかじゃないって証拠をお見せしましょうか…?」


この娘はどうせこの場の勢いでそう言っただけだろ? やっぱり馬鹿なんじゃん。 悩む彼女を見て俺は、そろそろ引っ込みが付かなくなったみたいだから、そろそろ許してあげて、帰って貰おうと思いながら口を開こうとした。 すると


「あっ、良い事を思い付きました!!」


彼女は突然そう言うと、持っていたバッグからスマホを取り出して何処かに電話を掛け出した。 そして


「もしもし、あっ、学長様ですか? 私です。ソフィア・アーカードです。 えっとですね、今回お電話したのはですね、学長様に私が馬鹿なんかじゃない事を証明して欲しくてですね。はい。はい。そうです。所謂お願いのお電話ですね。 はい。はい。じゃあ尊様にお電話を代わりますので、説明を宜しくお願い致します」


そう言うとアーカードさんはニコニコしながら俺に自分のスマホを渡してきて


「尊様、私が馬鹿なんかじゃないって事を証明して頂ける人にお電話が繋がっていますので、その人とお話して下さい」


俺はアルカードさんから受け取ったスマホを自分の耳に当て


「もしもし」


「もしもし、私、帝都大学で学長をしている天王寺と申します。貴方ですか? ソフィア様の天才的な頭脳を疑っている人は。 本当なら貴方みたいな愚か者には説明するのも嫌なのですが、他でもないソフィア様のお願いですのでお答え致します。 ソフィア・アーカード様は我が帝都大学の2回生全体で主席の成績を修めていらっしゃいます。 学長の私が証明いたします。 御納得いただけましたか?」


「……あっ、はい。私ごときが疑ってしまいすみませんでした」


「分かれば良いのです。では、私も暇じゃありませんので、これで失礼します」


「あっ、はい。ありがとうございました。では失礼致します」


俺は無言でスマホをアーカードさんに返した。


「私、馬鹿なんかじゃないって事納得して頂けましたか尊様♡」


「あっ、はい」


……帝都大学って、国内最高の学力を誇る大学じゃん。しかも、資産がウン兆円の人達が多数集まる学校じゃん。 しかも、その帝都大学で主席って何? 学長と仲が良いって何さ?


……この人は一体何者なんだ? 俺とはスペックが違い過ぎるだろうがよ。


そんなアルカードさんを俺はアホ面を浮かべて見るしか無かった。




ここまで読んで頂きありがとうございます m(__)m


面白いと思われたら ♡ ☆評価 コメント レビュー等を頂けたら嬉しいです (* ̄∇ ̄*)


今後とも拙作を宜しくお願い致します (。-人-。)









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

底辺の俺 大人気の彼女に惚れられる  " 別ば~じょん " 猫之丞 @Nekonozyo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画