第3話
邪悪な家 - 続編:失われた記憶の陰
新たな依頼
事件から数ヶ月後、久保田幸男(堂本剛)は東京で静かな日々を送っていたが、ある日再び依頼が舞い込む。依頼主は、先日解決した野島家の遺産問題で彼に助けを求めた**野島沙織(演:石原さとみ)**だった。
沙織は久保田に電話をかけ、奇妙な出来事が再び起こったと訴える。あの「邪悪な家」で解決した事件の後、屋敷を引き継いだ家族が一連の不思議な事件に見舞われているという。
「幸男さん、お願いです。もう一度、あの家を調査してもらえませんか?今度はもっと恐ろしいことが起きているんです。」
久保田は沙織の話を聞き、再びあの屋敷に向かう決心をする。しかし、彼は前回の事件が解決したとはいえ、あの屋敷に潜む謎が完全に解けていないことを感じていた。屋敷は単なる財産争いの場所ではなく、何かもっと深い暗い歴史が隠されていることを彼は確信していた。
新たな事件の兆し
久保田が屋敷に到着すると、前回とは異なり、屋敷の空気は一層重く、異様な雰囲気が漂っていた。家族や関係者の顔色も悪く、皆が緊張しきっているのがわかる。
沙織の父親、**野島英一郎(演:役所広司)**の死後、屋敷を管理していたが、近くの村で奇怪な失踪事件が立て続けに起こり、村人たちは「屋敷に呪いがかかっている」と恐れ始めていた。
家族が集まった大広間で、久保田は改めて屋敷の構造を観察し、疑問が湧いてきた。英一郎の死がもたらした「邪悪な家」という名の通り、この屋敷にはただならぬ力が働いているように感じられる。家族や使用人の誰もが、どこかしら秘密を抱えているように思えた。
その時、家政婦の**田村明子(演:高橋メアリージュン)**が久保田の元にやってきて、声を震わせながらこう告げる。
「幸男さん、お願いです。あの部屋に入らないでください。」
久保田は、田村の言葉を無視して屋敷の隠し部屋へ向かう。そこに何かが隠されている、何か恐ろしい真実が待っている予感がした。
失われた記憶
屋敷の一番奥の部屋に足を踏み入れた久保田は、思いもよらない発見をする。部屋の壁に隠された古い日記帳を見つける。その日記は、英一郎の祖父が書いたもので、彼が戦前に関わったある極秘の取引について記されていた。
その取引は、ある超高価な美術品に関するもので、英一郎の祖父がそれを不正に手に入れ、その後、その美術品が屋敷に隠されることになったという。日記には、**「呪われた財宝」**という言葉が繰り返し書かれており、英一郎の家族はその財宝を守るために恐ろしい儀式を行っていたという記録が残されていた。
久保田はすぐにその美術品が偽の美術品であることを悟る。それを守るために家族が何十年にもわたって暗躍してきたこと、そしてその美術品に絡んで多くの人々が命を落としていることが次第に明らかになった。
その夜、久保田は屋敷の地下室を調べ、地下に隠されていた古い金庫を発見する。その金庫には英一郎の祖父が隠したと思われる財宝が保管されており、久保田はその中にあった古代の絵画を手に取った瞬間、突然目の前が暗くなり、意識を失って倒れてしまう。
恐ろしい真実の暴露
目を覚ました久保田は、自分が地下室で倒れていたことに驚く。家族や関係者が集まっており、久保田の体調を心配していたが、久保田の目は真実を追い求めていた。
久保田は再び、あの呪われた美術品が、ただの遺産や財宝ではなく、何か恐ろしい力を持った「呪いの品」であることに気づく。その絵画は、過去に関わった者たちに不幸をもたらし、何人もの命を奪ってきた「呪いの品」だった。
久保田はその絵画を研究し、その背後にある一族の深い秘密を暴こうとする。そして、屋敷に住む家族の一部がその絵画に取り憑かれていたことを突き止める。絵画を守ろうとするあまり、彼らはおぞましい儀式を繰り返し、他の家族がその事実に気づかないようにしていたのだ。
犯人と結末
最終的に、久保田は犯人が沙織の父、英一郎の妹である**由美子(演:黒木華)**であることを突き止める。彼女は、家族を守るためにその呪われた美術品を守り、過去に手を汚していた。しかし、その絵画に取り憑かれ、最終的にはその力に支配されてしまっていた。
久保田は、由美子が英一郎の死を引き起こし、家族の命を狙っていたことを証明する。由美子は自らの過ちに気づき、最終的に警察に自首することになる。
その後、屋敷は売却され、遺産は法的に整理されることとなる。しかし、久保田は今後もこの屋敷を邪悪な家と呼び続け、暗い過去を背負いながら、再び静かな日常に戻ることになる。
「何かを守るために人が死んでいく。その理由は、決して消え去ることはない。」
久保田の言葉が、あの屋敷の不気味な静けさの中で響き渡る。
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今回は、久保田幸男(堂本剛)が再び「邪悪な家」に足を踏み入れ、古代の呪いと家族の秘密を解き明かしていく新たな事件を描きました。
妄想ミステリー⑪邪悪の家 鷹山トシキ @1982
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