心のドアをあけっぱなしで幼馴染が二股事件を巻き起こした⁉︎そして心のホームレスに⁉︎

猫の集会

幼馴染二股疑惑

 朝

 

 それはモーニングともいう

 

 いうんか?

 

 ほんとか⁇

 

 …モーニングコーヒーとかあるくらいだし、朝は、やっぱりモーニングでいいのだろう。

 

 

 知らんけど…

 

 

 

 そんなくだらないことを考えていると…

 

「ジュンジュン ジュンジュン」

 と、鳥のさえずりが聞こえ…

 

 

 ん?

 

 

 鳥って…チュンチュンじゃね?

 

 オレの耳には、ジュンジュンって聞こえたんだが?

 

 

 うちの近所の鳥たちは、なまっているのだろうか⁇

 

 

 まぁ、そんなことはどうでもよいのです。

 

 

 だってオレさまは、まだおねむですから。

 

 

 なまった鳥なんぞどうでもよい。

 

 

 さぁ、二度寝ならぬ三度寝四度寝をいたしましょう。

 

 

 せっかくのお休みだっていうのに、デートの予定すらないし、なんなら…今まで毎日のように通ってきていた幼馴染の実乃果みのかだって…きやしないのだから。

 

 

 実乃果のやつは、てっきりオレのこと好きなんだと思っていたのに、なぜかいきなり彼氏ができたっぽい。

 

 

 それぞれ別の高校に入ったことがすべての間違いでしたね…。

 

 

 …まぁ、でも仕方ない。

 

 いいんですよ。

 

 

 そりゃ実乃果が誰を好きになろうとも自由なのですから。

 

 

 自由とは、そもそもなんなのでしょう?

 

 

 女神さまってことでいいですかね?

 

 

 もう、だれに問いかけているのかすらわからないが、二度寝したいのにできない…。

 

 

 なぜでしょう⁇

 

 

 目をつぶっているのに、うっすら感じる何かの気配…

 

 

 え、こわ…

 

 

 怖くて、おめめがあけられましぇん。

 

 おかあさんーって大声で呼んでみる?

 

 

 そしたらお母さん来てくれるんじゃ…って、オレは幼稚園児では、ありません‼︎

 

 

 高校生ともなれば、大人扱いされることだって多々あります‼︎

 

 

 タタタタタタタタ

 

 

 ただタを言いたかっただけです。

 

 

 おやすみなさい。

 

 

 

「ジュンジュンジュンジュン」

 

 

 …

 

 

 うるせー鳥です。

 

 

 …

 

「ジュンジュン ジュルジュル ジュジュジュジュー」

 

 

 …

 

 え?

 

 そんな鳴き声の鳥って……

 

 

 …

 

 

 ガバッ

 

 

 オレは一気に飛び起きたよね。

 

 

 …

 

 

 そんでもって、目を見開くとオレの目の前には、幼馴染の実乃果みのかがいらっしゃいましたね。

 

 

 

 実乃果のやつ、めっちゃかわいい服装していやがる…。

 

 

 クソったれめ。

 

 これから奴はデートだっていうのに、なぜオレの部屋なんかに来たんでしょうね?

 

 

 デートの前にオレに見せつけにきたんでしょうか?

 

 

 嫌がらせにも程があります。

 

 

「なに?実乃果…まさかデート前にフラれたか?オレが慰めてやるか?」

 

 

 髪の毛寝癖だらけで、オレは両手を広げた。

 

 すると実乃果は、オレの両手にすっぽりとはいり、

「ヨシヨシ、お土産買ってくるからきちんとおるしゅばんするんでちゅよ」

 と、逆に慰められた。

 

 

 …

 

 クソが‼︎

 

「お土産なんていらねーし」

 

「ふふ、ひねくれちゃってかわいいね。」

 

「あー、どうせ寝癖ボサボサ男はひねくれててどうしようもありませんよ。早くデート行かないとおくれんぞ」

 

「あ、そうだった。それじゃぁね〜ん」

 

 …かわいくおめかしした実乃果は、浮かれて出て行った。

 

 

 なんですかね⁇

 

 

 ひとの睡眠を邪魔するだけして、帰っていくって…

 

 

 ほんとなんなんですかね⁇

 

 

 美味しいものあげるからついておいでっていわれて、散々歩いた挙句にもらったのは、腐った食べ物でしたってくらい、なんなんだって感じですよ。

 

 

 もう一眠りしたかったけど、悪魔に無理矢理起こされて放置されたオレは、どうしたらいいんでしょうかね⁇

 

 

 実乃果は、今頃彼氏とルンルンしておるんだろうね。

 

 

 そもそも彼氏は、同じクラスの隣の席のマサキというやつらしいです。

 

 

 マサキとやらめ、よくもオレの幼馴染をあっという間に奪いやがったな。

 

 

 …

 

 

 いつか、このオレさまがマサキとやらから実乃果を奪いとってやるぜ。

 

 

 覚悟しな‼︎

 

 

 って、ひとりベッドで脳内小言…

 

 

 情けな…

 

 

 もうさ、情けなさすぎて一日中布団にこもったよね。

 

 

 ポットでのマサキとやらに大好きな幼馴染を奪われました。

 

 

 いつからでしょうかね?

 

 

 幼稚園のころは、うさぎのミーくんとシーちゃんみたいにずっと一緒にいようねって、おてて繋いで見つめあって約束したのにさ…

 

 実乃果は、いつのまにか別の人とコラボってましたよ。

 

 

 くだらないことを考えていたら、もう夕方です。

 

 

 そろそろ夜が近づいてまいりました。

 

 

 トントンと階段をのぼる音がいたします。

 

 

 夜って階段をのぼってやってくるんでしたっけね?

 

 

 …

 

 

 あしとかあったんですね。

 

 コンコンと、オレの部屋のドアをたたいておりますね。

 

 

 あぁ、なんて律儀なんでしょうかね。

 

 

 ⁉︎

 

「ジュンー、あけるよ〜」

 

 この声は、実乃果‼︎

 

 デートから帰ってくるの早くね⁉︎

 

 

 できる彼氏かよ⁉︎

 

 

 暗くなる前にお帰りってか⁉︎

 

 マサキ…やるじゃねーか‼︎

 

 

 

 実乃果は、部屋に入るなりオレにクマさんクッキーをくれた。

 

 

「はい、お土産」

 ってさ。

 

 いらねーし‼︎

 

 彼氏とイチャイチャ選んだクッキーとか正直もらいたくないし‼︎って思ったんだけど…せっかくだからもらった。

 

 

 …

 

 

「どうも」

 

 

「えー、てか髪の毛朝のままじゃーん。ボサボサだよ〜」

 ってオレの髪を触ろうとする実乃果。

 

 

 オレは実乃果の手をパシッて握った。

 

 

「実乃果…彼氏でもないのにオレの部屋来たり髪の毛触るとか反則」

 

 って言ってやったんだ。

 

 遠回しに、もう来ないでって。

 

 

 だって、彼氏いるけど幼馴染は別の人種だよ〜ってのも…なんか複雑だし…

 

 そもそもマサキってやついい人そうだもんな。

 

 オレのせいで、二人が破談になってはならない。

 

 

 実乃果は、オレの言葉を聞いて不安そうな表情で

「好きな人…でもできた?」

 ってじっとオレをみた。

 

 

 …

 

 いや、昔からずっと実乃果が好きなんだよ。

 

 

 わかれよ…

 

 

「オレは…オレの好きな人は…」

 

「いるんだ…やっぱりそうなんだ。だからわたしが邪魔になったんだ?そうやってジュンは、わたしから離れるんだ?」

 

 

 …

 

 先に離れたのって…あなたですけど?

 

 

「もう、お互い友達ごっこじゃ通用しないってことっすね。」

 

 

 自分で言っていて辛い…

 

 

 昼間の明るい空から夜に変わるくらい真っ暗な心になった感じがする。

 

 

 でも、仕方ないことなんだ。

 

 

「お互いの恋、応援し合おう。なんかあったら相談には乗るからさ」

 

 暗い心の反面、わざと笑顔で笑ってみせた。

 

 

 オレの笑顔を見たとたん、実乃果は

「いやだ‼︎ジュンいったよね?幼稚園のころ、ミーくんとピーちゃんみたいにずっと一緒って」

 

 

「ピーちゃんじゃなくてシーちゃんな」

 

「え、ピーちゃんだよ‼︎わたしピーちゃんみたくかわいくなるって思ったんだもん」

 

 …

 

 

 ピーちゃんは、別のコヤの鳥ですね。

 

 あの、水色のさ…

 

 

「ピーちゃんは、とりだ。」

 

 仕方ないからアルバムを持ち出し見せてやった。

 

 

「あ…ほんとだ。てか、うちらどの写真もいっつも隣にいる。手とか繋いでさ…っグズっ…こんなに仲よかったのにさっ…グズっ」

 

「え?泣いてんの⁇」

 

 オレはすかさずティッシュを実乃果に渡した。

 

 

 それを猿みたいに奪いとる実乃果。

 

「泣いてないし。ジュンのために泣かないし…」

 

「泣く意味…」

 

「ジュンは、わたしが嫌いなんだ?好きな人って誰よ⁉︎どうせ同じ高校の女とかなんでしょ?」

 

「あー…女だけど…同じ高校ってか…」

 

 実乃果なんですとは、言えない。

 

 

 彼氏がいるあなたに、そんなこと言ったって…ね。

 

 

「もしかして…先生とか?みたよ‼︎若い先生いたよね?写真この前見せてくれたやつ…大人の女性なんて敵うわけないじゃん‼︎バカジュン‼︎」

 

 怒られた…

 

 しかも、さっき涙拭いたティッシュ投げつけてきやがった。

 

 

「てか、そのティッシュきたねーじゃんかよー…」

 

「汚いのは、ジュンの心‼︎どっか行って‼︎けがらわしい‼︎」

 

 

「いや、ここオレの部屋だし…」

 

「そんなことはどうでもいいの。部屋から出ないなら、せめてわたしの心から出て行って‼︎」

 

 …

 

 

「あー…」

 

 

 気づかれた。

 

 心に実乃果が住んでいること。

 

 

 ⁇

 

 

 でも、わたしの心から出て行ってって言わなかった?

 

 

 オレはいつのまにか実乃果の心にまで侵略していたのか?

 

 

 しかしオレはどんな技を使ったというんだ⁇

 

 

「オレ…侵略してた?」

 

「しまくり」

 

「…ごめん」

 

 オレのごめんって言葉を聞いた実乃果は、またポロポロ涙を流し出した。

 

 

「ごめんってなに?今心のドアでもしめたの?わたしって…いま締め出されたよね?」

 

 って訴えかけてくる実乃果。

 

 

 …

 

 締め出すもなにも…勝手に出てったのって…実乃果なんじゃ。

 

 

「オレは…閉め出したりしない。出て行ったのは、そっちっしょ。なんならオレの心のドアあけっぱなしでさ。」

 

 

「え?わたしがいつ出て行ったの⁉︎わたしは、出ていったりしないよ…てか、出たくない」

 

「なら、なんでマサキと付き合うんだよ…」

 

「それとこれは別じゃん」

 

「一緒だろ…。もうこの話、やめよ」

 

「え…じゃあ、わたしって心のホームレスじゃん。追い出すんだ?自分は、年上先生好きになったから?」

 

 …

 

「いや、いつオレ先生好きって言った?」

 

「さっき言ったよ。心の声ダダ漏れなんだよ…てか、先生と生徒は付き合えないのわかってる⁈そんな恋、無謀だよ?その冒険がワクワクをうむわけ⁉︎余計盛り上がるってことなの?スリルがあるからこそもえるってこと⁉︎そんなの…どうなのよ‼︎よくないって‼︎」

 

 って、かなり情緒不安定な実乃果。

 

 

 そもそも…オレ先生好きじゃねーって!

 

 

 てか、オレの恋バナ…勝手に盛り上がりすぎ…。

 

 

 泣きながら訴えかけるってなんだよ?

 

 

 そんなに必死なら、なんでマサキと恋してんだよ…。

 

 

 幼馴染別腹事件…

 

 

 それは…二股になるんじゃね⁇

 

 

「なぁ、実乃果…オレたちってやっぱり男と女だから、幼馴染ってだけじゃ通用しないと思うんだ」

 

 

 …

 

 

「そういうこというんだ?わたしがいたら先生との恋がじゃまだと?小娘ウザいって先生に言われたんだ?うまくまけっていわれたんだ?すでに尻に敷かれてるんだ⁇」

 

 って目を大きくあけてオレに詰め寄る実乃果…。

 

 

「オレ…そもそも先生好きじゃないし、そんな関係じゃないから」

 

「なら、どこのだれ子よ⁉︎わたしを心のホームレスにしたのは、だれ子⁉︎ジュンの心奪ったのってだれ子なのよ⁉︎連れてきなさいよ」

 

 

 …

 

 

「いや…だれ子っていうか…だれ果っていうか…」

 

「ヤダ‼︎許さない…だれかなんて許さない‼︎わたしがジュンの一番でいたい‼︎」

 

 

 その言葉を聞いてオレはいつのまにか実乃果を抱きしめていた。

 

 

「実乃果…ならなんでオレを選ばなかったんだよ。彼氏かオレかちゃんと選んで欲しい」

 って抱きしめながら伝えた。

 

 

 そしたら実乃果ってば、いきなりオレから離れて

 

「彼氏⁇待って‼︎ウエイト…え?彼氏⁇ジュン彼氏がいるの?」

 

 

 どうしてそうなる⁈

 

 

「いや、オレじゃなくて…実乃果の彼氏」

 

「え、わたしの彼氏?心の⁇」

 

「え?心の彼氏ってなに?」

 

 

「ジュンだけど…」

 

「それがダメなの。心も体も捧げるのは、一人なの‼︎つまりオレは心の彼氏で、ほんとの彼氏は、マサキくんなんでしょ?それは浮気だよね?心の二股だからね?オレはそんなに都合よくないし」

 

 

 …

 

 しばらく黙る実乃果。

 

 

 そしてようやく口を開いたと思ったら、

「マサキって彼氏なの⁇どういうこと⁇」

 

 ってオレに聞いてきた。

 

 

 …

 

 いや、オレが聞きたいわ。

 

 付き合ってないんかい⁉︎

 

 お互い遊び?

 

 

「まさか実乃果…マサキってやつに遊ばれてんのか⁈」

 

「遊ばれてるってか…遊んでは、いるけど」

 

 えっ…実乃果の方がモテ遊んでいた。

 

 

「マサキとは、キスしたり…その…する?」

 

 

「いや、しないでしょ。」

 

 ホッ

 

 なら、マサキって…

 

「あー、でもほっぺになら」

 

 

 ‼︎

 

 マサキ‼︎

 

 やっぱりマサキは、やらかしてんじゃん‼︎

 

 

「なんでモテ遊ばれてるんだよ…」

 

 

 

 …

 

 

 

「ほら、これ」

 

 って見せてくれたマサキとのミニ写真…

 

 

 …

 

 

「あのー…マサキってやつどこ⁇」

 

 オレがみるからに、マサキとやらはうつっておりません。

 

 

 いるのは、実乃果と女友達っぽい人のみ。

 

 

 マサキって…小さい⁇

 

 にしても…見えないくらい小さいってどんな?

 

 顕微鏡いる⁇

 

 

「マサキだよ。コレが」

 

 

 …

 

 

「えっ⁉︎マサキって女⁉︎」

 

「うん。真崎 ゆね」

 

 

 …

 

 マサキって苗字ー⁇

 

 マジかーー‼︎

 

 

「じゃあ…実乃果って…彼氏…」

 

「いないよ。だってずっと…」

 

 

 …

 

 

「マジかぁ。ビビらすなってー…」

 

 オレは実乃果を包み込んだ。

 

「よかった。実乃果がまだいてくれてよかった。オレもずっと好きだよ。実乃果」

 

「うん。わたしもずっと好き」

 

 

 実乃果がオレにしがみついた。

 

 

 オレたちは、こうして身も心もひとつになった瞬間だった。

 

 

 心の中に実乃果を感じる。

 

 そしてからだ全体的実乃果の体温が広がる。

 

 

「実乃果、ずっと一緒にいような」

「うん」

 

 こうして、オレたちは幼稚園以来二度目の愛を交わしたのでございました♡

 

 

 

 

 おしまい♡

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